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日記:クリープハイプの歌詞集を読む日:感想

尾崎世界観『私語と』

クリープハイプの歌詞集を読み終わった。とりあえず歌詞集ってめっちゃ良い。それにクリープハイプの楽曲が持つ物語性とか詩的な表現、言葉遊びが直接合わさって最高だった。

メンバーの解説もめっちゃ良かった。尾崎世界観さんのことしか知らなかったけど、他のメンバーの方のそれぞれの視点で見る歌詞、楽曲の裏側の周辺が見えて嬉しい。

昨年のNUMBER SHOT 2023で初めてライブを観て、それがめっちゃかっこよくて、それから全曲聴くようになって、ラランド・ニシダさんとのラジオも聴いてる。千早茜さんとの共著の『犬も食わない』も読んだ。『転の声』もうすぐ読む。

今のところのベスト10
・大丈夫
・二十九、三十
・おやすみ泣き声、さよなら歌姫
・手と手
・憂、燦々
・炭、酸々
・二人の間
・料理
・四季
・栞

ベスト10とは言ったけど、すぐに思いつくだけで20曲くらいあったから。全然ベストじゃないし全部同率。強いて言うなら2014の『一つになれないなら、せめて二つだけになろうよ』以降が特に好き。特に「大丈夫」

正直「SHE IS FINE」とか「蜂蜜と風呂場」みたいな、直接的で生々しい、風俗とかセフレの関係の歌はあんまり苦手だったけど、音から離れて文字で読むと、たちまち短編小説になって楽しめた。曲を好きになれたかは、まだ分からないけど。

音楽から文学になって、途端に距離ができるというか、移入するか俯瞰するか、その距離を調節できるようになって、その曲の世界を自在に歩けるようになる。

雨が降ってるとか、車通りが少ないとか、近くに公園があるとか、部屋の床に空のペットボトルが落ちてるとか、ゴミ箱のコンドームとか、解釈が変わってくる。


例の苦手意識があってアルバム『イノチミジカシコイセヨオトメ』以前はそんなに聴いてなかったけど、すごく良い曲を見つけられた。「愛の標識」、「バイト バイト バイト」、「コンビニララバイ」、他にもたくさん


・自分の中でクリープハイプは炭酸みたいだなって思ってる。ソーダ、泡、刺激、痛み、中毒性、ジュース、甘み。

・即席的で人工的なペットボトル入りの炭酸でもあるし、吐いた息が一人の、二人の身体の水分に溶け込んで自然に湧き出した炭酸でもある、みたいな。

特に好きな歌詞3つ!!!

①NE-TAXI

誠実さの欠片甘いなもうやめられない止まらない
誠実さの欠片甘いなもうやめられない止まらない
虫歯になったら嫌だな その信号左

NE-TAXI

甘いものを食べるのを止められなくて虫歯になってしまう。虫歯になるほど甘い思い出を何度も何度も何度も噛んで噛んで噛んでしまうの好き。

②さっきはごめんね、ありがとう

宝物 それも大架娑だけど間違いでもないよな
だからもう いつもこうやっていれるのが
凄く嬉しい 君が凄く愛しい
っていう歌がいいかな

さっきはごめんね、ありがとう

「っていう歌がいいかな」って君のことを考えてるところが好き。次の箇所では「っていう歌がいいよな」って同意を求めてるのも好き。楽曲ではカオナシさんの声と尾崎世界観さんの声が重なるところも好き。

③大丈夫

大丈夫の全歌詞🦭

「大丈夫」は特に切り取りようがないくらい全部の歌詞が好きだから全部載せる。

「大丈夫」のMVがないのが問題。ライブ映像でもいいから、YouTubeで見れる動画を公式で出してくれないかな


電車の中、最寄駅から教室がある棟までの道を、この文庫本を持って歩いてたら、なんか無敵な気持ちになってた。このカドミウムイエロー?真っ黄色な装丁はかなり目立っただろうけど。気にならないし武器を持ってる気分。



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