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クミンとアンチョビ風味のヤリイカのソテー カリフラワーのクリーム添え

イカとカリフラワーを組み合わせるのは、2011年にパリで日本人初の二ツ星を獲得した「パサージュ53」の佐藤伸一シェフのスペシャリテが話題になって以来、日本のフランス料理界でもちょっとしたブームになりました。
 それ以前からでも、ロブションの「カリフラワーとキャビア」、北島亭の「カリフラワーと雲丹」といったカリフラワーと魚介を組み合わせたものはありまして、現在ではフランス料理の定番となっています。
さて、今回の料理に使うヤリイカは高級な「活もの」や刺身用の大きいサイズのものではなく、安価な小さいサイズのもので充分です。風味付けのアンチョビとクミンがヤリイカとカリフラワーをいい感じに繋いでくれます。これがないと正直ピンとこない味になります。おそらくヤリイカがアンチョビと相性がよいこと、カリフラワーがクミンと相性がよいことに由来すると思います。

作り方

·カリフラワーと玉葱をバターでじっくり炒め、水を加えて軽く煮込みミキサーで滑らかになるまで撹拌する。特殊なコーンスターチを加えて再加熱しクリーム状になるまで練り上げる。

·クミンをオリーブオイルで加熱し、香りが出たらアンチョビと玉葱(できればエシャロット)を加え炒め、小さめにカットしたヤリイカを火を入れすぎないように炒める。仕上げにイタリアンパセリを混ぜ込む。

追記

実はこの料理、主役はヤリイカではなくカリフラワー。クリーム状のもったりしたカリフラワーを飽きずに食べるためのコンディマン(薬味)としてのヤリイカなんです。この発想は東京三田の名店「コートドール」の斉須シェフが自身のスペシャリテ「エイとキャベツ シェリービネガーとバターのソース」に対して、「この料理の主役はソース」と評したところからヒントを得ています。

補足

アンチョビ···イワシを塩漬け熟成させたもの。
クミン···カレーに欠かせないセリ科の植物の種。
特殊なコーンスターチ···SOSA社のジェルクレムホット。

コース料理の温前菜として提供しました。


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