やんちゃ

大阪→和歌山→東京→福岡と移り暮らし、今現在、タイ北部のチェンマイにて、趣味の絵画と小説を書いて暮らしています。

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大阪→和歌山→東京→福岡と移り暮らし、今現在、タイ北部のチェンマイにて、趣味の絵画と小説を書いて暮らしています。

マガジン

  • 『リスの女と』(完成)

    首都バンコクから北に760キロ、北方の薔薇と称される古都チェンマイの大晦日、世界一美しい言われるお祭りロイクラトンで、幸一は娘ほどにも歳の離れた山岳少数民族リス族の女と出逢った……

  • タイの野菜

    日本で暮らしていると、まずお目にかかることのない、タイの珍しい野菜(食材)を紹介します。

  • 小説『(仮題)リスの女と』

    タイ北部の山岳少数民族リス族の女『Mai』と3度目の結婚をした日本人男性『幸一』の物語

  • ノンフィクション版『リス族の女』と

    フィクション版『リス族の女と』の元になった忘備録のようなものです😜

  • 詩季織々

    エッセイ集

最近の記事

いのちをいただくウルルンツアー

【チェンマイ 卓袱台便り】No.12 = いのちをいただくウルルンツアー = 多くの山岳少数民族が暮らす町Phraoの市場には、カエルやネズミ、蜂の子やコオロギ……と言った食材が毎日普通に売られている。また、Phraoから車で20分も走れば、妻の産まれ育った村であり、今も妻の母や姉妹、親族が暮らすサムリ村(Baan Sam Li)がある。サムリ村では何か事あれば、集落で飼われている豚が捌かれ、日に数羽、つい先程まで草むらを走り回ってた鶏が行方不明になる。 僕のFacebo

マガジン

  • 『リスの女と』(完成)
    1本
  • タイの野菜
    2本
  • 小説『(仮題)リスの女と』
    0本
  • ノンフィクション版『リス族の女』と
    9本
  • 詩季織々
    2本

記事

    +2

    談笑するリスの女たち

    談笑するリスの女たち

    【蓮の花】No.1

    【蓮の花】No.1

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    リス族の少女

    リス族の少女

    +2

    サムリ村の人々〜ラフ族とリス族の女たち〜

    サムリ村の人々〜ラフ族とリス族の女たち〜

    =チェンマイ(Phrao)の野菜= #3 マラキーノック(あばしゴーヤ)

    地元Phraoの市場に行くたびに、どう見てもゴーヤそっくりだけどあまりに小さ過ぎる、ゴーヤの赤ちゃん? どうやって食べるの? と気になっていた野菜がこれ【マラキーノック】、ゴーヤの原種である。 タイ語で《マラ》がゴーヤ(苦瓜)、《キー》が糞、《ノック》が鳥、つまり《鳥の糞のようなゴーヤ》と言う意味だそうな。 ゴーヤは、血糖値を改善してくれるフィト(植物性)インスリンと言われる《charantin Momordica》と言う成分が多く含まれる野菜として知られています。 インス

    =チェンマイ(Phrao)の野菜= #3 マラキーノック(あばしゴーヤ)

    =チェンマイ(Phrao)の野菜=#2パックード(クワレシダ)

    =チェンマイ(Phrao)の野菜=#2パックード(クワレシダ)

    =チェンマイ(Phrao)の野菜=#1 チャオム

    =チェンマイ(Phrao)の野菜=#1 チャオム

    バーンサムリ村#9

    ⑩ 「家族はタイ語で《クロープクルア》と言います」 「クロープクルア?」 「はい。《クロープ》は《囲む》、《クルア》は《囲炉裏》。つまり、《囲炉裏を囲む人間》が家族と言う意味です。言い換えれば、《一緒に食事をする人間が家族》と言う事です。VinやDaoの父親、シャローの父親は、今は私たちと一緒に食事をしていません」 「つまり、VinやDaoの父親、そしてシャローの父親は、今は家族ではないと言うことですか?」 「はい、そういうことです」  躊躇することなくマイは答え、言葉を続

    バーンサムリ村#9

    バーンサムリ村#8

    ⑧ 『ティティティ、ティート、ティティティ、ティート』  小鳥の鳴き声で僕は目が覚めた。  開け放たれた窓の向こう、パパイヤの小枝にチョコンと座り、カワビタキが囀っている。  宴会が終わったのは午後三時過ぎ。気疲れした僕は先にお暇し、部屋に戻り横になっていた。午後五時。僕は2時間ほど眠っていたようだ。  マイが台所に立っている。宴会の残りの豚肉と野菜をフライパンで炒めている。  台所の手前の部屋が居間で、窓際に置かれたテーブルの上にブラウン管製のテレビがある。ドラえもんが放

    バーンサムリ村#8

    バーンサムリ村#7

    ⑦  僕は夢を見ていた。  夢と言うものは、いつだってそんなものだ。遠い記憶と新しい記憶、それらが複雑に絡み合い、現実には到底あり得ない物語を作り出す。  十四年の結婚生活の中、料理なんてしたことのない佐知子が台所に立っている。台所の窓から穏やかな海が見える。そうだ、糸島の海だ。僕と佐知子が暮らした福岡県糸島市、あの岐志湾を見下ろす高台の別荘である。それなのに、台所は東京のあきる野市のあの古い木造アパートの台所である。佐知子が作っているのはカレーだ。所々錆び付いた古いLPガ

    バーンサムリ村#7

    バーンサムリ村#6

    ⑥  リス族の先祖は元々、中国雲南省辺りから来たと言うこともあってか、母親のMaiの肌は中華系の白い肌であるのに対し、Vinはタイ人独特の浅黒い肌である。しかし、涼しげな目鼻立ちはどこか日本のアイドル歌手を思わせ、きっと、バーンサムリ村の少女たちの心をときめかせているに違いないと思った。  その時、Vinの背中に隠れるようにひとりの少女がいることに僕は気付いた。  Daoである。  僕と目が合うと、Daoは目を伏せ、すっとVinの背中に隠れたが、すぐにキラキラと光る瞳を上目

    バーンサムリ村#6

    バーンサムリ村#5

    ⑤ 「上はそのTシャツで良いですから、下はこれを履いてください」  Maiから深緑色の化繊のキュロット状のズボンを手渡された。  リス族の男の衣装は地味である。お祭りの時などは、沢山の銀色のビーズを飾った上着を着ることはあっても、普段から派手な民族衣装を身に纏う女性に比べ、男性や子供たちは普段、今風のTシャツにこのズボン姿が多いと言う。  Maiの両親の家の前にプラスチック製の真っ赤なテーブルが置かれ、僕は一人でそこに鎮座させられていた。テーブルの上には使い古され所々凹んだ

    バーンサムリ村#5