マガジンのカバー画像

ノンフィクション版『リス族の女』と

9
フィクション版『リス族の女と』の元になった忘備録のようなものです😜
運営しているクリエイター

記事一覧

バーンサムリ村#9

⑩ 「家族はタイ語で《クロープクルア》と言います」 「クロープクルア?」 「はい。《クロー…

やんちゃ
5年前
3

バーン サムリ村#1

① =君のパパとママに、僕はどんな風に挨拶をすればいいのですか?= 僕は日本語でスマホにそ…

やんちゃ
5年前
4

バーンサムリ村#2

②  間違いなく斜度30度はあろうかと思われる坂道を、作り終えたばかりのナムプリックを手に…

やんちゃ
5年前
6

バーンサムリ村#3

③  突然、どこからともなく強烈な硫黄臭が僕の鼻腔を襲う。  見上げると、何やら大きな黒…

やんちゃ
5年前
5

バーンサムリ村#4

④  八十歳を過ぎたMaiの父親は無口な男で、僕の「ホッファー、パパぁ」の言葉に、「うむッ…

やんちゃ
5年前
4

バーンサムリ村#5

⑤ 「上はそのTシャツで良いですから、下はこれを履いてください」  Maiから深緑色の化繊の…

やんちゃ
5年前
7

バーンサムリ村#6

⑥  リス族の先祖は元々、中国雲南省辺りから来たと言うこともあってか、母親のMaiの肌は中華系の白い肌であるのに対し、Vinはタイ人独特の浅黒い肌である。しかし、涼しげな目鼻立ちはどこか日本のアイドル歌手を思わせ、きっと、バーンサムリ村の少女たちの心をときめかせているに違いないと思った。  その時、Vinの背中に隠れるようにひとりの少女がいることに僕は気付いた。  Daoである。  僕と目が合うと、Daoは目を伏せ、すっとVinの背中に隠れたが、すぐにキラキラと光る瞳を上目

バーンサムリ村#7

⑦  僕は夢を見ていた。  夢と言うものは、いつだってそんなものだ。遠い記憶と新しい記憶…

やんちゃ
5年前
8

バーンサムリ村#8

⑧ 『ティティティ、ティート、ティティティ、ティート』  小鳥の鳴き声で僕は目が覚めた。 …

やんちゃ
5年前
3