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【作例13枚】XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR レビュー

フルサイズ換算で焦点距離が約225-900mmになる超望遠レンズ、XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR。
触れる機会があったのでレビューしていきます。


はじめに

私は展望台などの高所から、建築や街並みを望遠レンズで撮ること好きでこのような写真を撮っています。

XF150-600mmに興味を持った経緯

そんな中、ここ3年ほどはAPS-Cで焦点距離を稼ぐ目的で、FUJIFILMを使用。望遠レンズはXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRを使ってきました。

XF70-300mmは、フルサイズ換算で約450mmになるレンズで満足していたのですが、X-T5との相性がすこぶる悪いこと+超望遠による見たことのない景色を撮ってみたいという思いからXF150-600mmに興味を持ちました。

使用機材について

FUJIFILMのカメラはX-T5とX-Pro2を持っているのですが、XF70-300mmF4-5.6 との組み合わせでは、X-Pro2の方がAFの精度が良い印象です。

XF150-600mmF5.6-8では、X-T5とX-Pro2のどちらの方がAF精度が高いのかも今回確かめてみました。

今回使用した機材
カメラ:FUJIFILM X-T5、X-Pro2
レンズ:XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR

ここからはXF150-600mmのレビューを書いていきます。

サイズ感〜意外にも機動力あり

XF150-600mmの重さは1605gで、このクラスのレンズのほとんどが2000gを超えるためかなりの軽量です。

下の写真がX-T5に装着したものなのですが、31.4cmあるのでレンズは長いです。
(レンズの長さはSONYのFE200-600mmとほぼ同等です。)

XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR
重量:1605g
最大径x長さ:99x314.5mm

同クラス比では軽いというものの1.6kg。また、長いと持ち運びのバッグに制約が出てしまう…と思っていたのですが、カメラバッグ以外でも26L程度のリュックサックであれば収まることが分かりました。

アークテリクス マンティス26であれば、XF150-600mmとX-T5、X-Pro2と標準レンズ1本を収めることができました。

焦点距離別レビュー

次に焦点距離によってどのような写りになるか、またどんな感じだったかについて触れていきます。

150mm周辺での写りと感想

今回はほとんどX-T5で撮っていたのですが、150mm周辺での写りは、シャープでコントラストがはっきりしていてAF精度も良かったです。

186mm F11 1/500秒 ISO500
150mm F5.6 1/500秒 ISO500
150mm F5.6 1/500秒 ISO500

X-T5とXF70-300mmの組み合わせでは、ここまでシャープに撮ることはできないので、感動しました。

300mm周辺で感じたこと

300mm F6.4 1/500秒 ISO500

超望遠レンズあるあるですが、とにかく重いので遠くを撮ろうとすればするほど手ブレがシビアになります。特に私のように手持ちで撮ろうとすればなおさらです。

300mmを超えるあたりから、手ブレにシビアな感じがしていました。

X-Pro2でも撮ってみたのですが、ボディ内手ブレ補正がないため、より手ブレしやすくなり、あまり良い組み合わせではないと感じました。

X-Pro2 352mm F8 1/1000秒 ISO400

超望遠の世界 (400mm〜600mm)

400〜600mmはフルサイズ換算で600〜900mmに相当するので、もう未知の世界です。
WEBで見たXF150-600mmのレビュー記事の大半は野鳥かスポーツだったため、街撮りでどうなるかは未知数でした。

451mm F9 1/1000 ISO500

とにかく圧縮して切り取ることはできるものの、何を撮りたいのかが伝わりにくい写真になりやすい、もしくは単調な写真になるか…といった難しさがありました。

そして手ブレ対策と腕力が必要です…パワー

600mm F9 1/250秒 ISO640

憧れていた600mm(フルサイズ換算900mm)の世界ですが、かなり遠くを撮ることになるため実際のところ使いづらかったです。

撮影して分かったメリット・デメリット

まずはXF150-600mmのメリットから。

日中静止画番長

日中など明るい場所かつ止まっているものを写す際に最大限の能力を発揮するレンズだと感じました。

150mm F11 1/500秒 ISO500

レンズが重くても1/500〜1/1000秒くらいのシャッタースピードを稼げる環境であれば、シャープな写りを体感できるでしょう。

焦点距離の暴力

600mm F11 1/250秒 ISO500

フルサイズ換算900mmの本レンズはずっと遠くの景色さえ撮ることができる点が魅力的でした。

下の写真ですが、地図で見てみるとどのくらい遠くから撮っているか伝わると思います。

600mm F8 1/250秒 ISO1000

こちらの写真はお台場にあるフジテレビの「球体展望室はちたま」から撮影したのですが、東京湾のはるか向こう、中央区の「京橋エドグラン」を写していました。900mm恐ろしや…

赤丸が撮影地点

次にデメリットをお伝えしていきます。

動きモノのAF精度が悪い

展望台から電車を撮影しようとしたのですが、ピントが合っていませんでした。静止画は良いのですが、動くものが入るとピントの精度が悪くなる印象を受けました。

238mm F9 1/1000秒 ISO500

このあたりはXF70-300mmに軍配が上がりそうです。

レンズが暗く夕景は厳しい

スペックからも想定できた話ですが、XF150-600mmF5.6-8 ということで、レンズが暗すぎます。夕焼け、特に日没前30分のシーンでは非常に使いづらかったです。

600mmでは下限がF8になるためシャッタースピードが稼げずピン甘写真が連発…
また、暗部ではピントが一定時間合わない等、やはり明るい場所向けのレンズなんだと痛感しました。

FUJIFILMのフラグシップの望遠レンズとしては、もう少し明るいレンズにしてほしかったです。

まとめ

フルサイズ換算約225-900mmと、夢と希望のあるレンズですが、レンズが暗すぎる点と動きモノへのAF精度が悪いため、街撮りで使う場合は夕方や車、電車を撮るのに適していないと感じます。

明るい日中かつ、静止している被写体ではシャープかつ迫力のある写真を撮ることができます。


購入はオススメなのか?

筆者は超望遠レンズの購入を検討していて現在は比較段階にあるのですが、XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WRには非常に惜しい印象を受けました。

良かった点

・超望遠レンズとしては、軽量で普段使いのリュックサックにも入る
・150-200mm間の写りの良さ
・フルサイズ換算900mmの焦点距離

惜しい点

・F5.6-8のため夕景を満足に撮ることができない
・ISO 1000未満でないとノイズの乗りが気になる
・動体へのAF(ピント)が弱い

フラグシップに期待しすぎた部分があり、もう少し明るいレンズだったら…という思いが強いです。フルサイズ機であれば600mm使用時のF8でも気にならないと思いますが、APS-Cであることを考慮すると、撮影シーンを選ぶロマン砲であると感じています。

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