進路とネットと社会福祉士
ひとりの大学生から進路についてのご相談がありました。
**以下、相談内容を一部加工しています**
その大学生は福祉系の学部ではないけれど「社会福祉士に関心がある」と言います。
ですが、よーく話を聴いてみると、ところどころで「ちょっと待った!」と言いたくなる点がありました。
その大学生の話はこうです。その大学生は「文系」らしいのですが…
文系の80%は営業職(とネットに書いてあった)
↓
営業職は病む(とネットに書いてあった)
↓
病みたくない
↓
適性テストで「社会福祉士も合っている」との結果だった
↓
だから社会福祉士に興味がある
…とのこと。
きっかけが何であれ、社会福祉士に関心を持ってもらえるのは歓迎します。
でもちょっと待って。
そのスタート地点の「文系の80%は営業職」って何⁉
その次の「営業職は病む」って何なの⁉
まずスタート地点から確認しましょう。そもそも「文系」の定義も難しいけど、なにより80%というそれは、いったい何のどんな調査結果?私の知る限りの世間を見渡しただけでも奇妙に感じられる数字ですけど?
仮に。仮に本当に80%が営業職だったとしても20%は営業職じゃないんだから、その20%の仕事を選択肢にすることもできるじゃない?「文系の80%が営業職。だから文系の自分は営業職」と考える必要はなくない?
さらに次の「営業職は病む」について。ここでいう「病む」の定義は何?メンタルのこと?身体も含む?そりゃあ病む営業職もいるでしょうが、営業職以外は、じゃあ病まないのか?
ツッコミどころ満載ではありますが、つまり、その大学生は「病みたくないから適性テストでOKだった社会福祉士に」という発想なわけです。
いやいや、社会福祉士も病みますよ。「病む」の定義はさておいたとしても、私も含めてその経験を語れる社会福祉士はたくさんいると思います。もちろん病まない社会福祉士もたくさんいます。
その大学生には、まずはボランティアやアルバイトで福祉現場を体験することをお勧めしました。もしそれでその大学生が何かを感じて社会福祉士をめざそうと思うなら私は喜んでそのお手伝いをしましょう。一緒に社会福祉士を語りましょう。
進路を決めるのに適性テストやネット情報に頼るなとは言いませんが、まずは自分の心をしっかり検索してみてほしいです。
(後日談。その時の大学生は今、自分の道をみつけてキラキラと仕事に励んでいます。)
本日は以上です。
今日も気持ちの良い一日を!
柳田明子社会福祉士事務所〰聴く・伝える・ともに考える〰(2001年開業)
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