踊る本社事業部
(Twitterはこちら → @yanagi_092)
損サ部門の本社事業部である、損害サービス業務部。新商品のマニュアルを作ったり、様々な会議の運営をしたり、現場からの突き上げがあったり、災害が起きたら自ら現地に飛んだりと、割と忙しい。
そして、本社事業部の社員としての品行方正な振る舞いが求められ、少々息苦しさを感じ始めていました。特に私が赴任してからは、東日本大震災もあって本当に忙しく過ごしており、飲み会も全く無かったのですが、久々に忘年会が開催されることになりました。そこで、先輩がとある提案をします。
踊りは、ぼくに任せてください
忘年会で何かをやる話が盛り上がったのですが、その後、私は公認会計士試験の一次試験(短答式試験)に向けて5連休を取得していました。休暇中は怒涛の勢いで勉強をしていたのですが、損業の人から個人メールが来ました。
<ご参考:ぼくはマツケンマスター>
新入社員の頃は「マツケンを強制されるような営業は嫌だ」とか言って全力で損害サービス部門に逃げたくせに、6年後には自ら「篠田麻里子でお願いしますよ・・・」と志願する人に変わっていました。自分でもよく分からないのですが、新入社員の頃は「大量採用の脳ミソ筋肉・体育会系が幅を利かせる雰囲気(@研修所)」に嫌気が差して心を閉ざしていたものの、社会人生活を重ねるうちに「まぁ、みんなが喜んでくれるんやったら、どんな形でもええんちゃうか。貢献にも色々な形があるんや。」という心境に変わってきたのかもしれません。
自分がアホなことをして周りの人が喜ぶのでれば、それはそれで貢献感があるし、あと、普段はガリ勉強のヤベぇ奴なので、ギャップ笑いを狙えるのも「おいしい」と思ってました。伝統的な日本企業では「若手が出し物をやる」みたいな話もありますが、嫌な人は無理にやらなくて良いと思うので、出し物系で困っている新入社員等の方はTwitterからDMください。格安で出張AKBを提供します。
忘年会で舞うのだ!
休暇明け早々、忘年会に向けて会議室で最終調整をします。私は休暇中に篠田麻里子を仕上げていたのですが、センターを務める先輩も華麗に大島優子を仕上げていました。
そうして、忘年会本番を迎えました。当時、私はゴリゴリの丸坊主だったので、衣装を着て登場するだけで場を「掴む」ことができます。
ギャラリー:めっさ笑う
「いつも聴いてた favorite song あの曲のように〜♪」
【翌日】
日系企業における異常なリスク回避思考
その後、別の上司から「やなぎのキモいSNSをアップしないで欲しい(苦笑」というお願いがあり、僕のSNSデビューは散ることになりました。
理由も分かるし、特に不満は無かったのですが、日本型終身雇用の会社においては、こうやって「リスク回避思考のツマラナイ人」が量産されていくのかなぁと思いました。とはいえ、外資系の会社でも「そんなキモい写真はUPしないで、、、」と言われるかもしれないので、どのように評価するかは難しいですが。
一方で、この頃から、日本型終身雇用の会社における「異常なリスク回避思考」に違和感を覚え始めた時期でもあります。これはメンバーシップ型の会社で職業選択の自由を奪われた人(≒潰しの効かない労働者)にとって、「人事評価上の『バツ』がつく」=「死刑宣告」に等しい部分もあり、会社としては全社的な統制を効かせることができるのですが、悪い意味では、金太郎飴のように均一化された、リスク回避型人間の寄せ集めになってしまう傾向もあります。
もちろん、私のキモい写真をUPすることに対する賛否はあると思う(笑)のですが、いずれにせよ、メンバーシップ型を前提とする日本型終身雇用の仕組みがリスク回避思考の集団性を生み出している点は否めず、このような日系企業が形式的に「変革、改革、DX」を謳っても、リスク回避思考の集団性ゆえに、何ら特徴のない「変革の『やってる感』」に終始せざるを得ない部分もあるのではないでしょうか。
私のようにちょっと(かなり!?)変わった人間は、さっさと辞めて個人事業主になれば良かったのかもしれませんが、「良い大学に入り、良い会社に入社して定年まで勤め上げることが、幸せへの切符」という昭和的価値観を刷り込まれている私にとって、そんなに簡単な話ではなかったのでした。
今になって思えば、同調圧力にも似た均一化を求める日系企業に対する違和感と、幼少期から刷り込まれた昭和的価値観との葛藤の妥協点として、働きながら公認会計士試験に挑戦するという結論に至ったのかもしれません。
(続く)