『晴明伝奇』第10話 泰山府君の法
▶時期:天暦元年(947)
疱瘡を患った梨花は隔離され、孤独な日々を送っていた。晴明は、心の内では彼女を看病したいと思っていたが、身勝手な行動で彼の師匠に病が伝染るようなことはあってはならないことだと自分を戒め、遠くから無事を祈っていた。
賀茂忠行は、密教の修法である焔羅王供行法次第には万病を治す力があることを発見する。この修法は病人の家で泰山府君の呪文を唱えれば死籍から病人の名前が削られるもので、泰山府君は陰陽寮でも延命祈願の神として祀られていた。この時、晴明は初めて泰