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著者:渋沢栄一「論語と算盤」

論語と算盤を読んだ。

内容は、日本資本主義の父と言われ「新一万円札の顔」にもなった渋沢栄一が会社経営をする上で大切にしている哲学がある。
その哲学とは「論語と算盤」である。
論語とは、中国の孔子が残した儒教の教えの事であり、簡単に言うと人はどう生きるべきかみたいな道徳的なものである。
算盤とは、経営に必要な利益を出すための打算力である。
この2つの論語と算盤は遠い存在に見えて実は近しい存在であり、経営にはこの二つをまず一致させることが必要だと書かれている。
まず論語がなぜ経営をする上で大事かというと、手段を選ばずに利益追求(場合によっては犯罪)ばかりに走ってしまうと必ずしっぺ返しをくらい、自分が不幸に叩きのめされてしまう。
一方算盤がなぜ大事かというと、あたりまえであるが利益を上げようにも計算をあやまり自滅してしまう。
よって、この二つがなければ経営はうまくいかない。道理と事実と利益は必ず一致するものである。また、道徳を学ぶことで商売が学べる。商売を学ぶことで道徳が学べるものである。としている。

個人的に論語と算盤で大事だなと思ったポイントは5つあり、

1.道徳がないと、会社は長く続かない。たまに悪いやつがいいやつを出し抜いて結果を出す時があるが、そういったものは短期的にしか勝てず、長期的にはいいやつが勝つ。


このことについて考えたのは、確かに日本企業は海外と比べると圧倒的に長寿企業が多いし、倫理性が高いイメージのある神社やお寺なども歴史が長いためこのことはかなり事実として的を得ているのでは?と思った。

2.大体人の災いの多くは得意な時に萌してくる。なので得意な時には気持ちを緩めず、失意の時は落胆せず、いつも同じ心構えで道理を守り続けることが大事。また、逆境には「人の作った逆境」と「人にはどうしようもない逆境」があり、「人の作った逆境」については、大体自分の行いのせいなので反省して悪いところを改めるべし。「人にはどうしようもない逆境」については天命に身をゆだね、腰を据えて来るべき運命を待ちながらコツコツと努力するのがよい。


これらのことについては、まったくもってその通りだと思っており、常に調子に乗らず、悲観せず、因果を見極め、コツコツ努力する。というのはどこに行っても大事なマインドであると考えており、実践あるのみだと思った。

3.道徳は法律を超える。


このことについては意外だと思った人も多いかもしれないが、なんでも法律などルールばかり作ってしまうと、例えば職場内でも家庭内でも揚げ足取りみたいな状況になり、温和にいかなくなってしまう。また法律についても法的にはアウトだが捕まらないものも多くあり、本質的には温情によるジャッジもよくされているんだなぁということに気づかされた。また、法的にはokだが通らない事象もあるのはこのためか。とも思った。

4.悪いことをして成功したのであれば手放した方がいい。いいことをして失敗したのであれば無理に這い上がろうとしなくていい。あくまで成功や失敗、地位名誉などはやってきたことの残りカスでしかなく、ただやるべきことをやることに集中するべき。


このことについては、自分自身結果ではなくプロセスが大事だと思っていたが、全く同じことが書かれて共感した。結果はあくまで勝手についてくるものであり、パフォーマンスを発揮することが大事。ただ、成功を目標にしたり、名誉が欲しくなってしまう欲望がまだあるのでかなり参考になった。
地位も名誉も社会的成功もクソ!勝手に後からついてくるだけだから!

5.いくら勉強が必要とはいえ一番は普段の行いが大事であり、机に座って読書するだけの学問など間違っている。活用しなければ意味がない。


これについては、痛いところをつかれたなという感じ。よく悪いことをするな!と言われるが実際にしないというのはかなり難しく、人類のジレンマだと思う。しかしながら、読書をしてアウトプットをする。というサイクルに満足することなく、日々意識して改めたい、行動を変えたい所存。

個人的に面白かったのは渋沢栄一の子供を68歳の時に作り、総勢50人もうけたという所。やはりこれだけのことをやる人はバイタリティーもすごいのだなと思った。日々運動を忘れずに体力にも磨きをかけたいと思った。

起業家や経営者になりたい人には必読だと思った本!
興味ある人は是非!





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