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鬱突破ドア

先週まで鬱を崩していた夫。
かなめ珈琲という小さな珈琲屋をしている。

息子と同時に体調を崩し、体調が治らない事がトリガーとなり、毎日1日2時間ほど世界に絶望していた。

1年前と比べても、彼の鬱はだいぶ軽くなってきているので、私も息子もへっちゃらだった。

息子なんて、「とーさんうつびょーなん?ブラック(※)やんw」と、盛大に煽っていた。(※はたらく細胞界隈では、身体の調子が悪い事をブラックという)

世界に絶望しているときに「ブラックww」と騒ぐ人と同居していると、絶望のどん底にいくのもバカバカしくなるらしく、息子の無邪気な煽りは夫の鬱に効いている。
あくまで、私たちの場合ではあるけれど。



さて、夫が鬱になると何が困るかって、珈琲の味がわからなくなる事だ。零細珈琲屋としては死活問題。

だからやっぱり、鬱になんてならないほうが良い。

今回なんで鬱ムーブがやってきたかといえば、体調不良が治らなかったからであり、何故治らなかったかといえば、全ての元凶は、家が寒すぎるせいだ。


意味が分からんと思うけど、我が家にはあるべきものが無かった。それは、玄関→廊下→キッチンを遮るドア。
冷気を遮るための布は垂らしていたけれど、布は所詮、布だ。


私たちの住む南砺市・井波地区は空き家を減らすことに力を入れており、移住者や新規開業者への助成金も手厚い。
地元の素敵な不動産屋さんが、歴史と趣のある空き家が沢山売りに出している。
私たちは水周りがリフォームされた賃貸物件を紹介され、昨年秋に引っ越しをした。

築約40年ほどだそうで、昔の家ならではの変わったつくりになっている。
細かく書くとキリがないのだが、まあとにかく、あるべき場所にドアが無かったのだ。


井波で過ごすはじめての冬。

冷気筒抜けで先日の大寒波がやってきた。
それまではなんとかなっていたけど、井波の冬を舐めてきっていた私たちは、余りの雪っぷりに唖然とした。
四方を積雪に囲まれ、家は完ぺきに冷蔵庫状態。温かい場所はコタツの中だけだった。

そりゃあ、風邪は治らないよ。


1番やばい時。


大家さんに確認して、ドアを取り付けることにした。もちろん夫によるDIY。

自分の鬱は自分でやっつけにいくスタイルで、作り方を調べているうちに徐々に鬱の波は楽になっていったようだ。

ホームセンターで材料を調達し、作業時間約2日。仕事から帰ったらドアが出来ていた。

杉ベニヤに油を塗った。ベニヤのままの壁部分には、黒板になる塗料を塗る予定。

部屋は暖かく、快適だ。ドアがあるのって素晴らしい。

家はくつろげる場所じゃないといけない。
外がどんなに寒くても、過酷な世界との線引きさえあれば、休み、くつろぎ、癒しを得ることができる。


ドアって偉大だな。ドア最高!

すべてをシャットダウンし、開きたい時だけ開き、軽くて丈夫なドア。
これからもブラックな30代と、かわいい6歳児を守ってほしい。

家の中があたたかければ、ドアさえあれば、まあ、なんとかなるでしょう!







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