親魏倭王、本を語る その06
【ケストナーの大人向けユーモア小説】
ドイツのエーリヒ・ケストナーは『飛ぶ教室』『ふたりのロッテ』などの児童文学で知られるが、大人向けの小説もいくつか書いている。その中で有名なのが、ユーモア三部作と呼ばれる『雪の中の三人男』『消え失せた密画』『一杯の珈琲から』で、創元推理文庫に収録され、前者2冊は入手可能である。
このうち『消え失せた密画』だけ読んだことがあるが、これは古い細密画を巡る保険会社社員と盗賊団の攻防を描いた犯罪小説で、全編をユーモアで彩ったことで独特の味わいを醸し