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歴史の小箱

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自作記事のうち、歴史に関わるもので特に読み応えのありそうなものをまとめました。
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2023年11月の記事一覧

世紀の転換点について

世紀の転換点というのはなにかと世情不安が起こりやすいようだ。ヨーロッパを例に取ると、18世紀から19世紀への変わり目にはフランス革命が起き、その混乱がヨーロッパ全土に波及する中でナポレオンが台頭する。その後は、ナポレオンが失脚するまでヨーロッパは戦争の時代になる。

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日本のお金小史

日本において貨幣が登場したのは飛鳥時代後期、天武天皇の治世。奈良県飛鳥池遺跡の発掘調査で一躍有名になった「富本銭」である。『日本書紀』天武12年の記述にある「今より以後必ず銅銭を用いよ」の銅銭は、この富本銭を指すと考えられる。ただ、この富本銭はどの程度貨幣として流通したかは定かではない。

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みやこ(京・都)の変遷

今回は都城の変遷について書いてみたい。 飛鳥京、大津京と呼んでいるが、これはどちらも誤りである。なぜかというと、どちらも条坊制を伴う市街地を持たないからである。 初めて造営された京=都(みやこ)は藤原京で、現在の橿原市に所在する。この都は短命で、わずか16年で廃止される。その理由は諸説あるが、大規模河川から離れていて利便性が悪かったことと、北が低く南が高い地形のため、汚水が北=宮城のある方へ押し寄せてきたことなどが有力視されている。また、藤原京が『周礼』という中国の古い文献に

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偽書・偽文書考

近年、椿井文書という古文書群が物議を醸している。馬部隆弘先生によると、江戸時代、現在の京都府木津川市の住人であった椿井政隆が一人で作成した大量の偽文書だそうだ。これは長らく偽文書と考えられておらず、馬部先生の研究で一気に日の目を見た。信頼に足る文書として市史編纂事業などで活用され、まちおこしの典拠となるなど被害は大きい。これがなぜ今まで知られてこなかったかというと、椿井政隆の周到さにある。彼は多くの偽文書を「写し」として制作した。写しであれば、時代が新しいとわかっても信用され

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前方後円墳の正面はどこ?

前方後円墳という名称は、江戸時代に古墳(陵墓)の研究をした蒲生君平が、円と方が組み合わさった墳形を宮車(牛車)に見立てたことに由来する。しかし、古墳時代にはまだ牛車はなかったので、この由来説は誤りである。そのため、前方後円墳が何をモチーフにしたものか、諸説頻出するとともに、正面がどこなのかが議論の的になってきた。

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円筒埴輪の役割

古墳は今でこそ森になっていたり、果樹園等に転用されていたりするが、造られた当初は、段築、葺石、埴輪を伴う人工の山であった。兵庫県五色塚古墳、京都府私市円山古墳など復元整備された古墳を見ることで、往時の姿を想像することができる。

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山中他界観の成立時期

山中他界観というものがある。山中に他界=死者の住まう空間があると想定するものだ。学術的な源流は、おそらく柳田國男の『山宮考』だろう。その後、民俗学者の間では日本古来の他界観の一つとして定着しているようである。実際の山中他界観の例としては、東北地方の端山信仰や、伊勢朝熊山麓の「ダケ参り」、立山の地獄伝承などが挙げられる。

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世情不安と妖怪

妖怪と聞くと何を思い浮かべるだろうか。おそらく世代を問わず『ゲゲゲの鬼太郎』を思い浮かべる人が多いと思うが、妖怪の捉え方は時代によって変化している。その変遷は『ゲゲゲの鬼太郎』内部にも表れている。 少し前の『妖怪ウォッチ』ブームから、妖怪のキャラクター化に拍車がかかっているようだ。元々、マンガやライトノベルを中心に、2000年代から妖怪が「敵対するもの」から「共存するもの」に変化しつつあり、その中で主に「萌えキャラ化」というかたちで妖怪のキャラクター化が進んでいたが、『妖怪ウ

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