みやこ(京・都)の変遷
今回は都城の変遷について書いてみたい。
飛鳥京、大津京と呼んでいるが、これはどちらも誤りである。なぜかというと、どちらも条坊制を伴う市街地を持たないからである。
初めて造営された京=都(みやこ)は藤原京で、現在の橿原市に所在する。この都は短命で、わずか16年で廃止される。その理由は諸説あるが、大規模河川から離れていて利便性が悪かったことと、北が低く南が高い地形のため、汚水が北=宮城のある方へ押し寄せてきたことなどが有力視されている。また、藤原京が『周礼』という中国の古い文献に基づいて造られた都であったため、遣唐使がもたらした情報に基づき、唐の都・長安に倣った最新の都城を新造しようとしたとも言われる。
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