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note版 やまおく体操 〜神経筋制御論に沿った運動処方〜

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様々な対象の方々にとって大切な「神経と筋肉の繋ぎ目を刺激する」運動理論(神経筋制御論)に沿った専用エクササイズマシン等のハードウエアーの開発や、トップアスリートは、勿論のこと、子…
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#トレーニングジム

小脳と大脳皮質の連携

小脳は、運動ニューロンの活動を調整していますが、小脳→運動ニューロン→筋肉というルートで、スキルが、発揮される訳では、ありません。隣接する小脳と大脳の大脳皮質は、互いに連絡しあって、情報をやり取りするループがあり、小脳と大脳皮質との連携プレーで運動が行われています。 例えば、記憶されている運動プログラムの実行命令を下すのは、大脳皮質のほぼ真ん中にある一次運動野です。一次運動野は、運動ニューロンと接続しており、筋肉の動きを、ダイレクトに司ります。 さらに、一次運動野の少し前

運動神経

筋肉は、脳の命令を伝える運動神経の刺激で動くと表現されていたために運動神経が、存在すると誤解されてきましたが、実は、運動神経というものは、存在しません。 運動ニューロンは、脊髄から全身に広がり、末端で枝分かれ(神経終末)し、自らの意思で動かせる骨格筋まで伸びています。それによって、骨格筋は、収縮・弛緩・伸張をコントロール(抑制・制御)されています。 ちなみに、お腹側を通る服内側系は、体幹。背中側を通る背外側系は、手足動きを抑制・制御してます。

ウサイン・ボルトさんとイチローさん

例をあげますと、陸上の100m走や走り幅跳では、人が、速く走ったり、遠くに跳ぶ動きでは、スタートからの加速が遅くなりやすいうえ、走っている時の空気抵抗も大きくなるため、190cm台の体格の大きなアスリートは、短距離走や走り幅跳に向かないとされてきました。 例えば、2002年から2017年まで、ジャマイカの元陸上競技短距離選手だったウサイン・ボルトさんは、196cmと長身。下半身が長く、走行時歩幅が2m75cmにも達していたと言われています。 通常は、100mを走り切るのに

キネマティクスとキネティクス

身体の動きは、神経筋系の活動と、それを取り巻く外部環境との相互作用で成り立っています。その動きが、神経的に、どのように抑制・制御されているのか? 神経生理学的領域に、動きについてのキネマティクス(エネルギー・運動量・角運動量)と、その動きの起こりとなる力についてのキネティクス(運動・その原因)を総合的に考えなくては、なりません。 例えば、身体の動きで、代表される歩行では、重力などの外力と、筋収縮によって生み出される筋張力を巧みに協調させ、目的に応じた身体の動きを表現してい

神経と筋肉の繋ぎ目

日常生活における身体の動きは、脳からの神経指令と末梢からの神経指令の協調によってなされています。 両者からの指令は、脊髄アルファ運動ニューロンとそれが支配する骨格筋の活動を促し、合目的的な動きとなって表現されています。 α運動ニューロンが、活動する為の神経系調節機構、特に、感覚器から情報を処理し、個体が、環境に対応出来る効果器の応答を起こさせる統合機関として働く(中枢神経系)機能は、動き作りの基礎を成してます。 全体的に身体の動きが、どのような神経機構で抑制・制御されて

やまおく体操

偏りは、怪我に繋がることも多く、生涯元気に過ごしたい、毎日快適に不調を感じずに働きたい、身体のあちこちが痛くならないように痩せたいのであれば、神経と筋肉のつなぎ目を良くすることで、機能性を回復させる「やまおく体操」をお勧めします。 「やまおく体操」は、YouTubeのやまおくチャンネルをご覧下さい。 治療院や整体院に行くと、身体をバキバキと鳴らされるので、ズレていた関節が元の位置に戻してもらったと誤解している人も多いことでしょう。

ダイエットと減量

フルマラソンを完走すると、約2500キロカロリーも消費出来ます。運動の消費カロリーが、全て脂肪燃焼されることは、あり得ません。仮に、その全てが、脂肪燃焼に使われたとしても、たった、約350グラムです。 もし、体重50kgの人が、1カ月で5kgのダイエットをしたとすれば、脂肪を燃焼させたというより、脱水症状を起こし、筋肉量を低下させてしまったと考えられます。これでは、基礎代謝が、落ちて、逆に太りやすくなり、リバウンドも繰り返す原因にもなることでしょう。 ダイエットは、毎日ケ

ジムのトレーニングマシン

ジムのトレーニングマシンは、筋肉を部分的にトレーニングするコンセプトで作られています。比較的、簡単に使えるものの、人間の能力は、狙ったとおりにしか向上しませんので、健康体になるために全身の機能性をトレーニングするのには、極めて不向きな方法です。 例えば、バランスボールの上に乗って、バランス感覚を鍛えたものが、日常生活で役立つかといえば、不安定な場所でバランスが、求められる場面が、日常では、ほとんど無いため、何もしない人よりは、マシ程度のものでしかありません。 トレーニング

機能改善

先進医療が進むアメリカでも最新のリサーチが現場に定着するまでに20年近くかかると言われています。その後、日本に入ってくることを考えると、日本人が当たり前に思っている健康常識も世界から見れば、非常に遅れを取っていることも、多々あるかと思われます。 腰痛・肩こりで、医療機関に受診すると、最初は、電気治療やマッサージ等で、筋肉や神経をほぐしてくれるものの、後は、体力や筋力をつけなさいよ!とアドバイスされることでしょう。 何もしていないのに、首や腰が痛くなったり、疲れやすくなった