2021年5月の記事一覧
私の好きな短歌、その6
枕べの障子一日曇りたり眼をあげてをりをり見るも
島木赤彦、歌集『氷魚』より(『日本の詩歌 第6巻』中央公論社 p29』)。
「病床」中の一連。この次の歌から、季節は冬とわかる。何もすることがない病床で、視線だけが部屋の中をさまよい、ときおり障子を見ている。それだけの歌だが、写生であるがために、実感がこもっている。「一日」によって時間の幅が生まれ、長い退屈が表現された。
1916年(大正
枕べの障子一日曇りたり眼をあげてをりをり見るも
島木赤彦、歌集『氷魚』より(『日本の詩歌 第6巻』中央公論社 p29』)。
「病床」中の一連。この次の歌から、季節は冬とわかる。何もすることがない病床で、視線だけが部屋の中をさまよい、ときおり障子を見ている。それだけの歌だが、写生であるがために、実感がこもっている。「一日」によって時間の幅が生まれ、長い退屈が表現された。
1916年(大正