シャグマハギと群衆(2023.05.24)
昼休みに散歩していると、川の土手沿いに綿毛のようなポワポワした草が無数に生えているのを見つけた。調べたらシャグマハギというらしい。
それぞれが人の頭のようで、これだけたくさんあるとまるで群衆のように見える。
集団とか群衆がどうも怖い。ヒトラーがかつて言ったか言わないか、人は一人一人では冷静だけど集団になると、とりわけ熱狂した時には愚かで暴力的になる。私はそういう場面をテレビの向こう側や目の前でしばしば目撃してきた。集団の中で、優しく気弱だった友達の顔が紅潮し、目は血走り、汚い言葉を吐くのを実際に見ることがあった。人の自我や個性などは集団の中でいともたやすく形を変え、飲み込まれる。
土手に生えた無数のシャグマハギを見て、心のずっと奥底で言い知れぬ恐怖を感じたような気がした。