温泉チャンス!その7【四の湯温泉】(2024.01.28)
CMに感化された我が家。くら寿司のテイクアウトを利用する事にした。
私、そして長女と次男は長らく寿司から遠ざかっていた。妻と長男だけは何かの際に二人だけで回転寿司を堪能していたが、それ以外は長らくご無沙汰だった。
ネットで注文して、支払いも済ませていたのでただ受け取りに行くだけだというのに、妻は子供3人を私に付いて行かせようとしたが、私はそれを持ち前のスルー力でスルーして、一人で家を脱出した。
もちろん、私はタオルを鞄に忍ばせる準備を怠らなかった。そしてエアポケットのように日常の中に出来た時間の隙間を有効活用できるよう、私は行きたい温泉を常日頃からリストアップしていた。
そうして、寿司を受け取りに行く途中、私は別府は亀川の「四の湯温泉」という温泉へ向かった。
温泉から少し離れたところに駐車場があったが、私は駐車場の位置もしっかり調べ上げていたので、迷う事はなかった。
この日は少し妙な天気で、雨が降ったり止んだり、寒いような暖かいような、どっちつかずな天気だった。
駐車場から温泉へ向かう途中、この、思いがけず温泉へ入れる僥倖へ感謝した。
ここの何が魅力的だったかというと、公園が目の前にあるという、地元っぷりというか、地域密着っぷりだ。これはなかなかない風景だと思うのだ。
建物の中に入るまででもう勝ったもう同然だったが、番台というか、受付には完全に腰が曲がったおじいさんが一人座っていて、でも優しい声でしっかり仕事をなさっていた。私はその方に200円(安い!)を払って、案内されるがままにそこにある洗面器をピックアップして脱衣所へ行った。
少し階段を下りると、そこはもう脱衣所と湯舟が地続きになっているという別府によくある温泉スタイルで、午後3時半という微妙な時間であるにも関わらずたくさんの地元の人たちが入浴している。天井は高く、そこに素っ裸の人たちの日常会話や、お湯が湯舟に落ちる音や、その他色んな音と一緒くたに反響して、何も聞き取る事が出来ない。
私はぱぱっと服を脱いでかけ湯して、小判の形をした浴槽に浸かった。
お湯はあまり熱くなかった。真ん中で区切られていたので、もう片方は熱いのかと思いきや、そちらもあまり変わらない熱さだった。
お湯に浸かって足を伸ばして、全身でお湯を感じ、塊となった色んな音に耳を傾けていると、体や頭の中にあるタールみたいにどろどろしたものが、サラサラと溶けて流れていくみたいな気持ちがした。
ものの10分で私は満足して、お湯から上がった。建物の出口では、さっき目の前でキ〇タマをブラブラさせて体を拭いていたおじいさんがちっちゃな椅子に腰かけて煙草を吸っていた。それがむちゃくちゃ美味そうに見えた。
隣接する公園のブランコは誰も使っていなくて、風がないので全然揺れていなかった。私はちょっと乗って行こうかなとも思ったが、普通に帰った。
家へ帰った食べたくら寿司は美味かった。
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