BIGより大きいサイズ(2023.07.31)
昼休み、ゆっくりしたいところを少し頑張ってドラッグストアへ行く。妻の買い物の負担を減らすためにペットボトルの麦茶やコーヒーなどの重いものや、洗剤やトイレットペーパーなど仕事をしている間車に置いておいても問題ないものを買っておこうと思ったのだ。
コーヒーは箱で買った。麦茶は2Lのやつを4本買った。んで私は気を利かしたつもりで次男(2歳)のオムツも買ったのだが、これが実は間違いだった。
終業後、子供らを幼稚園にお迎えに行き、それから意気揚々と私は帰宅した。そして買って来たものをそれぞれの場所にしまうのだが、ここで妻が私が抱えたマミーポコを見て鋭く重い声で指摘してきた。
「その、今棚にしまおうとしているマミーポコは『BIGより大きいサイズ』である。次男が使用しているのは『マミーポコBIG』であり、それとは違う。全く無駄な買い物をしてくれた。明日店へ行って交換、または返金してもらってこい」
指摘され、オムツのパッケージを見てみると確かにその通りで、そこには『BIGより大きいサイズ』と印字してある。しまった。なんてことだ。
私は強い後悔の念に押しつぶされそうになった。マミーポコに『BIGより大きいサイズ』なんてものがあったのか。しらんがな。しかし言われてみれば何度も見ている気がする。でもちょっと待ってくれよ。いつものBIGと絵柄一緒やんけ。全く同じドラえもんやんけ。『BIGより大きいサイズ』とか言うんならちょっとは絵柄を変えるとかしてくれよ。というか、ドラえもんじゃなくてハットリくんとかパーマンとかにしてくれたら良いのに。間違えるやん。罠かよ。
しかし時すでに遅し。ドラッグストアのレシートはとっくに捨てている。返金とか交換は多分無理だ。メーカーに「絵柄変えろよ」と無理な相談をするぐらいが関の山だ。
妻の、心臓をえぐるような、傷に硫酸を塗りたくるようなきつい責めは続く。
「ずっと前から『BIGより大きいサイズ』はありました。何を見ているんですか?お金がないない言ってるのに随分余裕がありますね?関心がない証拠じゃないですか?全然見てないんでしょう?どうするつもりですか?」
私は「そのうち次男も大きくなるんだから使える時も来るだろ?いいじゃんとっておけば」と苦し紛れに言う。正論っちゃ正論だ。
しかし妻、この「そのうち大きくなったら使えるだろ」論の穴を正しく突いてきた。すなわち、「『BIGより大きいサイズ』が使えるようになる前にオムツを卒業したらどうするつもりだ?事実、長女はそうだったではないか?」というぐぅの音も出ないド正論だ。
私は反論ができなかったので、目の前で暴れている子供たちに対応せざるを得ない風を装ってこれをスルーした。ダメだ。勝てない。一旦引いて妻がオムツの事を忘れるのを待つしかない。
それから私は皆が寝静まってから、レシートが残っている可能性がわずかにある車のゴミ袋を漁ってみたものの、やはりレシートは見つからなかった。そりゃそうだ。買い物して速攻店のゴミ箱に捨てた記憶があるもの。一縷の望みは潰えて、あとは次男のオムツ卒業と体の成長(特に臀部)に私の運命は委ねられる事となった。
幼稚園はやけにオムツ卒業を急がせる傾向にあるので、この勝負に勝算を見出す事は難しい。どうしたものか。ああ、気を利かせて余計なもの買うんじゃなかったなぁ。あと、マミーポコは絵柄をもう少し変えた方が良いと思う。分かりづらいよ。