真夜中に鳴るおもちゃ(2024.09.18)
真夜中、突如おもちゃが音を鳴らす。隣の子供部屋から軽快な音楽が鳴り響く。
子供がまたがって遊ぶ車のおもちゃ。ずっと前にトイザらスで買ってまだ生きている。前住んでいた古家では、長男がこれに跨って家の中を爆走していた。それはそれは速くて、妻と私はその速さに感心していたものだった。
そのおもちゃはこの別府の家に持ってきてからも長女(4歳)や次男(3歳)が遊び継いできた。もうお役御免となっても良いのだが、思い出がたくさん詰まっているので、そう簡単には捨てる事ができない。そして今でも時々思い出したように次男が跨って、家じゅうを走り回り、そのトランクに大事なおもちゃをしまったりしている。
そのおもちゃが真夜中に鳴った。誰が触れたわけでもないのに。閉め切っているので、もちろん風もない。
でもだからと言ってもうさして驚く事はない。この家に引っ越してきてからはよくある事だから。
この家では実に色んなものが真夜中に鳴る。最初は妻が買って来たクリスマスカードだったと思う。音が鳴るクリスマスカードで、クリスマスに長男と長女にあげたものだったのだが、これがなぜか真夜中にひとりでに鳴るのでタンスの奥にしまったのだが、それでも鳴るので、怖くなって半分壊して音が鳴らないようにしてしまった。電池を外す事ができない構造になっていたから。
それから例の車のおもちゃも鳴るし、同じくトイザらスで買った幼児用の音が鳴るおもちゃ(我が家ではDJブースと呼んでいる)も鳴った。真夜中になると色んなおもちゃが勝手に音楽を奏でるのだ。
よくある事なので、もう慣れっこになってしまい深く考えなかったのだが、そういえばこんな事は前の古家では起こらなかった。この家に引っ越してきてからおもちゃは真夜中に音を鳴らすようになった事にさっき気づいた。
実を言うとこの家は古戦場のすぐそばにある。関ヶ原の戦い(西暦1600年)のすぐ後で起こった大友氏と黒田氏が争った大きな戦いがあった場所だ。
近くには「古戦場薬局」なる物騒な名前の薬局があるし、古戦場跡に造成された高級住宅街は幽霊が出るという噂で、有名な心霊スポットとなっている。
だからそういう類の「何か」が真夜中にそのへんをさまよっていてもおかしくなく、いたずらにおもちゃを鳴らしていくのかもしれない。「ここにいるよ」と。
今のところ真夜中におもちゃが鳴る以外にこれと言って不思議な事もないけど、最近我が家は怪我が続いているので、さすがに一度お祓いとかそういうのをした方が良いのかもと考えている。