死神(2024.07.17)
朝、幸子(ポメラニアン♀)を散歩させていると付いてくるカラスがいる。
前の家の屋根、二つ目の角の空き地、ピアノ教室をやっている家の塀、月極駐車場の隅・・。
ずっと付いてきて、時折間抜けな声で「カァー」と鳴く。屋根の上をカツカツと歩いている。
「ははぁ、これはあれか?私がそろそろやばいので、待ってやがるのか?」と思う。
結局カラスは散歩の間中ずっと付いて来た。家に帰ってからも、外を見ると多分あのカラスだろう、窓の外で一羽のカラスが遊んでいるのが見えた。
私は起きたばかりで髪の毛ボサボサの妻にその事を話した。「あれはきっと死神だよ。死臭をかぎつけてきたんだよ」と。
そう言ったところ、妻は「違うよ。パパに召集かけにきたんよ。鬼が出たんよ。カラスが一生懸命呼んでるのに何やってんの。カラスも呆れてるよ」と言う。
ああ、あれは鬼滅の、伝令を伝えにくるカラスだったのか。なるほど。カラスは私が間抜けヅラで「あのカラスはなんだろう?ずっと付いてくるなぁ」とか言ってるのを見て『ダメだあいつ全然使えねぇ!』と怒っていたかもしれない。鬼殺隊失格だ。
その日、妻のところには前職で仲良くなった友達が遊びにきてくれたらしく、妻にとってはとても良い日だったとのこと。
私も妻が買って来た美味しい唐揚げや葡萄にありつけたので、良かった。
カラスにまだ出番はないと思う。私が鬼殺隊というわけでもないし。