密かな楽しみ(2024.01.18)
木曜日は長男のスイミングがあり、ついでに妻が長女と次男を幼稚園にお迎えに行ってくれるので、私は職場からまっすぐ家に帰る事が出来る。
私が帰り、妻たちが家へ帰ってくるまでには10分~20分のタイムラグがある。つまりその間私は家で一人きりになれるのだ。
私はこの時間がとても好きで、たいがいビールを飲んでLチキなどを食べ、夕方の地元情報番組「ゆ~わくワイド」などを見て楽しんでいる。心が解放される瞬間だ。
今日も家の近くのローソンでLチキとビールなどを買いこんでから急いで家へ帰り、まず風呂をため始めて、カーテンを閉め、エアコンをつけてからLチキとビールを楽しんだ。Lチキはいつもと変わらない美味しさで、まだほんのり温かい。Lチキを一口食べてから喉に流し込むビール。とても美味い。そして一人きりだと家ってこんなに広かったんだなといつも思う。ビール缶を置いたコツンという音が部屋中に響き渡る。
ちょうどビールを飲み終わり、Lチキがなくなった頃に妻たちは帰ってきて、それからいつものように騒がしく慌ただしくなった。色んな音が重なり合って、小さな音はかき消されてしまう。
「おかえり。おつかれさま」かなんか私が妻に言ってると、手に一枚の紙きれを持ってヒラヒラさせている妻。私を見て笑っている。それでそこに書いてある内容を読み上げる。
「Lチキ220円、サントリー生ビール500ml220円、いいちこ900ml1,075円・・ほほ~よろしおすな~」
妻が手にもっているのは私がさっきローソンで買い物した際のレシートだった。急いでいたのでポケットにつっこんでいたものが、玄関あたりで落ちていたのだった。しくじった。痛恨のミスだった。
そうして私の密かな楽しみは妻の知られることとなり、Lチキとビール、そしていいちこの事でさんざんなじられた。
レシートなんて受け取るんじゃなかった。店員さんがなんかすごく丁寧な方だったので、なんとなく受け取ってしまったんだった。そして受け取ったにしてもポケットに突っ込んでおくなんて愚の骨頂だった。
そうやって反省しながら飲むいいちこは、いつもより沁みる感じがした。