見出し画像

お薬のめたね!(2024.10.13)

マイコプラズマに罹ってしまってもう1週間以上経過した次男(3歳)。

病院から処方された薬が今回は正解だったようで、熱は下がり、咳もだいぶ出なくなった。しかし毎回薬を飲ませるたびに1時間近くかかっていて、それが妻や私の重いストレスになっていた。

薬は効く。すごく効く。しかしぬるま湯で溶いた粉薬がよっぽどマズいのか、次男はこれを本当に飲みたがらない。薬の入ったコップの前に座って何十分もじっとしている。そうして私たちが諦めるのを待っている。

私たちは物で釣ったり、おだててみたり、色んなものに混ぜてみたり、あらゆる手段を使って次男に薬を飲ませようとするのだが、次男は飲まない。頑なに飲まない。大好きなポケモンカードを目の前にちらつかせても、それでも飲まない。どうすりゃいいんだ!

私はさじを投げて、妻にバトンタッチした。しかし妻も次男に薬を飲ませる事はできない。最初は優しく穏やかに声をかけていたものの、次第にドスの効いた声になってくる。これは子供にはとても怖いだろうと思うが、それでも頑として薬を飲まない次男。

ふと思いついて私が「大好きなアイスに混ぜたら飲むかも」と言ったら、妻が「アイス持ってきて。少しでいいよ」と言うので冷蔵庫に残っていたアイスの「爽」を器に入れて妻に差し出した。

妻は「お薬をひと口飲んだらアイスひと口あげる」と言った。そうしたらどんよりと死んでいた次男の目に少し光が灯ったような気がした。すると次の瞬間クイッと次男はコップを傾けて、薬を少し飲んだ。全体の4分の1くらい。

妻と私は奇跡が起こったかといわんばかりに驚き、歓喜した。「最初からこうすれば良かったんだ!」

薬を飲んだ次男にアイスをひと口あげる。そしてまた薬を飲ませる。薬は少しずつだが確実に減っていく。そしてやがて次男は薬をすっかり飲んでしまった。

妻と私は大喜びして、次男を大いに褒めた。たかだか薬を飲んだくらいでそんなに褒められている次男を見て、長男や次女にとってはなんとなく腹立たしいかもしれないが、私たち親としてはこんなに嬉しいこともそうそうなかった。

私はポケモンカードを一枚次男にあげた。次男はめちゃくちゃ褒められた事もあって、そこらじゅうを跳ね回ってはしゃいでいた。さっきまでお通夜のようだったのに、急にパーティーが始まったみたいだった。

まだ冷蔵庫の中にはアイスのストックがたんまりある。こうしてごまかしごまかし薬を飲ませているうちに、次男の病気がすっかり治ってしまえば良いなと思う。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集