『必殺シリーズ秘史 50年目の告白録』および『必殺シリーズ異聞 27人の回想録』の話
愛しております。必殺シリーズ。嫌いなシリーズは御座いません。
第1作目にあたる『必殺仕掛人』から、現在進行形のジャニーズ主体による新作まで、本当に楽しく鑑賞しておるのです。
昨年は『仕掛人』がスタートして、つまりは必殺が誕生してから50周年の節目に当たり、久々の関連書籍が発売されました。
高鳥都著『必殺シリーズ秘史 50年目の告白録』がそれです。
これは名著でした。
『仕掛人』第1話「仕掛けて仕損じ無し」(演出:深作欣二)からカメラマンとして活躍した石原興氏へのインタビューより本書は始まり、数々のスタッフたちの「告白」を訊き出してゆきます。
本書の白眉はもちろん、シリーズ第2作『必殺仕置人』、第9作『必殺からくり人 血風編』、そして第10作『新必殺仕置人』に出演した山﨑努氏への巻末インタビューに尽きるでしょう。
人気キャラクター・念仏の鉄を演じた山﨑氏の「告白」は読み応えありです。インタビュアーである高鳥都氏の手腕も見事。遂には山﨑氏に鉄の右手のポーズを再現させるまでに至ります。
「必殺シリーズ秘史」は大好評を博し、今度は『必殺仕置人』がスタートしてからぴったり50年目の2023年4月21日(『仕置人』第1話「いのちを売ってさらし首」は1973年4月21日放送)に、その第2弾となる書籍が発売される運びとなりました。
同じく高鳥都著の
『必殺シリーズ異聞 27人の回想録』がスタンバイ状態に。
『必殺仕置人』と言えば、のちに必殺シリーズの「顔」となる
藤田まこと氏演じる中村主水が初登場したシリーズとしても有名です。
今回は松竹サイドのプロデューサー・櫻井洋三氏の「映画秘宝」誌における深堀りインタビューも、めでたく収録。
その他、LD解説書からの再録。
時代劇研究家・春日太一氏の手による脚本家・野上龍雄氏の秘蔵インタビューも蔵出し。
現在のところ、まだ発売前ということで当然筆者も入手していないのですが、非常に楽しみな一冊であることは間違いありません。なにより、みんな大好き火野正平氏がフィーチャーされているではありませんか。
火野氏は『新必殺仕置人』、『江戸プロフェッショナル 必殺商売人』、『翔べ!必殺うらごろし』等に出演しており、
特に『新仕置人』が面白いのは火野氏演じる正ちゃんこと正八の活躍があるからというのが、以前からの筆者の持論。
アダルトな雰囲気に作風を転換させた『商売人』はもちろん、
正十とキャラクター名を変更して出演したオカルト必殺『うらごろし』においてもその存在感は抜群でありました。一体『異聞』で何を語ってらっしゃるのか、わくわくどきどき。期待は高まります。
1日でも早く、叶うことなら21日の発売日に読み始めたいものです。
予約が殺到しているのか、
Amazonでは配送にかなりの日数を要するようですが……。
皆さまも今しばらくの辛抱を。なにとぞ。