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精進料理に目覚める3歩前 #78 カンモクキタイ二ヤソウスルハル
先月のフウジャバトルを経て未だ鼻は香りを受付拒否を続けているらしい
濃厚な春の香りは10,000分の1くらいにペラペラになってしかワタクシの鼻へ到達していない
しかしながら もしかしたらこれはチャンスなのかもしれない
春の氣まぐれな風が邪を連れて入って来て
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大パニック中の将軍機能『肝』はどうにも氣を體の隅々まで巡らせる事をサボりがちである
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その隙に氣まぐれな風は頭痛やら何やらの症状を上半身の外側へと出したり出さなかったりしているので上半身は大忙しである模様
キタイさんが絶好調に活動しているこの春に幸いしてワタクシの鼻は香り希薄化キャンペーン中なので 普段ならその香りの強さにハナから怖氣付いてあまり手を伸ばさない【香りグリーン】食材に応援を要請してキタイさんに立ち向かうことにしたのである
まずは試しにとにかく緑色を混ぜて青汁を作ってみる
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奈良の柿の葉パウダーと当帰パウダーとよもぎ粉末とお抹茶を混ぜてみる
普段なら鼻をつまんで一氣飲みをすることになるであろうこの全力緑汁が何となく粉感のあるような爽やか水に留まってくれている
やはり香りグリーンを味方につけるにはこの鼻のへっぽこ期間は千載一遇のチャンスであるらしい
【柿の葉】
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【柿の葉】にはどうやらビタミンCが豊富で高血圧や動脈硬化にも効果を発揮してくれるらしい
ビタミンCがどんな活躍をしてくれるのかワタクシはあまり詳しく存じ上げていないが 『ビタミンC』と言われたらなんだかとてもありがたい氣がするのは不思議なものである
ビタミン、ポリフェノール、カリウム、葉酸、アストラガリンも含まれているらしい
アストラガリン?
どうやらアレルギー発症の原因となるヒスタミンの生成を抑えてくれるらしい
柿の葉は柿葉(シヨウ)と呼ばれる生薬で咳止めに止血に生活習慣病に活躍してくれるらしい
【当帰】
漢方薬のお名前に登場回数の多いイメージのトウキさん トウキの根茎が生薬となるらしいがこのトウキの葉を粉末にした大和当帰のパウダー
【当帰】はセリ科なのでなんともガツンとセロリ的な香りが強烈なので キタイさんと闘うに強い味方となってくれる香りグリーン軍として活躍してくれそうである
【当帰】香りグリーンのセリ科の植物でケッキョさんに奪われた血を補ってくれて 血行も促進してくれるらしい
婦人病の特効薬となってくれるクセ強で最強の味方食材であるらしい
いつかワタクシの鼻に香りが帰って来たらトマト料理の相棒で華やかに活躍していただきたい
【ヨモギ】
【ヨモギ】カンポウでもハーブでもとにかく有名な蓬さんもキク科に所属していらっしゃる
香りグリーン軍の代表に春菊がプンプンとその匂いを発して居るのだから同じキク科のヨモギさんも香りのお仕事もしてくれそうな予感
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【ヨモギ】ってカラダに良さそうなのは何となくイメージにあるけれど どんなお仕事が得意なの?である
【ヨモギ】のイメージはダンゴとか餅とかよもぎ蒸し?
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『ヨモギ餅』あります の文字を見つけて和菓子屋さんへと吸い込まれてこそ春である
【蓬】艾葉と云う生薬で血液系の不調の強い味方になって大活躍してくれたり 温性でカラダを温めてくれるぽかぽか食材で 止血までも得意としているらしい
それにしてもこの時期の蓬さんがエネルギッシュで旅先で美しくて見かける度にカメラを向けてはひたすらデレデレしているワタクシである
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そのまま春の柔らかな緑に魅せられて近くにいらっしゃるドクダミへスギナへハルジョオンへオオバコへクローバーへと移動して一周する時計の長針をみる事もなく腹時計のアラームに時刻を知らせて貰うことも少なくない
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右親指の爪が山菜のアクによって黒く染まったら春の実感によって口元が自動的に緩んでいる
春の風に肝を乱されやすいこの時期に 爪先を染めている山菜のアクを眺めながら これは良い機会であるとして肝の血の方を狙うケッキョさんが活躍中のサインを出す爪の様子をじっくり確認する
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結局今年も爪はケッキョさんによるストライプがくっきり施されている
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青汁話は何処へやらであるが このまま山菜とか野草に突き進んで行こう
普段なら踵を返す香りグリーンの入った青汁の香りが鼻に届かないのを千載一遇のチャンスとして迷走中の肝の疏泄にキタイさんに氣の巡りをサポートしてくれるであろう強力な緑臭を放つ香りグリーンに協力を仰ぐ
とはいえ普段から踵を返す習慣のついた食材ばかりである 相性の良い食材や調理法はちんぷんかんぷんである
香りグリーン食材たっぷり満喫期間というよりもこの期間は今まで顔を背けて来たことへの贖罪として香りグリーンと向き合って その魅力を とことん学ぶ期間となるのであろう
春の芽吹き食材と香りグリーン食材を調達して来てクッキングでもなどと企んでみるも香りが薄薄しているので調味料ですら香りグリーンとのマッチングに迷う事に漸く氣づく
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こうなったら ひたすら最初の一歩を歩み続けてみよう
【春菊】
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普段は口まで到着する事のない春菊さんもちぎってそのまま口に入れたとて ほぼ食物繊維である
スターをゲットしてキラキラ発光しながら世界を駆けるあのオーバーオールおじさんの氣分である
あのおじさんの双子の弟さんのイメージカラーもちょうど緑色である
発光オーバーオールおじさんに変身して無敵になった氣分で目の前のグリーンの効果をゲットしていこう
無敵に変身中のワタクシはすっかり写真を忘れているが ほぼ食物繊維に変身中の春菊さんは お味噌汁へ
【春菊】春が旬となる今がベストな旬菊さんは肝の強い味方となって氣の巡りを良くして 痰まで切って 咳まで鎮めてくれて 更に胃腸の調子まで整えてくれるらしい
どうやら結構親切なお存在であるらしい
鼻がへっぽこである今のスター期間は是非とも仲良くして頂きたい
【セリ】
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【セリ】春の七草で有名なセリは涼性なのでカラダの余分な熱を取ってくれて 氣をめぐらせてくれて 水分代謝まで促してくれるらしい
キタイさんとスイタイさんに 同時に戦いを挑める強者であるらしい
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セリとて香りをブロックしてしまえばひたすら食物繊維である
食物繊維ならばサラダで良かろう 湯がいて酸味の分かるレモン塩をドレッシングにしてジャクジャクとその氣持ちの良い食感を噛みしめる
どうやら食事の先導に香りが居ないと記憶はすっかりその思い出を無かったことにできるらしい
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ご丁寧にお皿にセリを盛り付けてあるがこの後の記憶がすっかり見当たらない
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セリが香りたつであろう味噌汁にも浸かっている
【サラダセロリ】
同じく香りグリーンで氣の巡りを助けてくれるであろうサラダセロリとて同様である
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写真を見るにザクザクにして せめて歯ごたえくらいは楽しめるようゴマを入れたお味噌系のタレを作って頂いたようである
もうこうなったら堂々と真正面から香りグリーンを受け止めてみよう
【パセリ】
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パセリをザブザブ洗ってブーケ状のこのまま手に持ってひとくち分を むしりながら口へと運んでひたすらジャキジャキと頂いてみる
ひたすらゴワゴワを咀嚼している不思議な時間である
料理の彩りにちょこんとお皿の傍に佇んでいたり パラパラになってふりかけられていてあまり主役感のないイメージであった【パセリ】さんであるが キタイさんとも ケッキョさんとも オケツさんとも スイタイさんと戦えるかなりのヒーロー食材であるらしい
【パセリ】氣滞に血虚に瘀血に水滞に立ち向かってくれるパセリは消化を促進してくれたり 疲労回復を手助けしてくれたり 豊富な鉄分が血を補ってくれたり 血行も促進してくれるらしい
キキョさん以外のミビョウファイブと1度にまとめて闘えるなんて とにかく強すぎる
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どうもワタクシのカラダでは闘いを後回しにしがちなオケツさんをもしっかり捉えてくれているのはありがたい
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お皿の端でひっそり佇むその脇役感とは是非ともおさらばして頂きたい
【ミツバ】
ミツバさんも
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いつもならお味噌汁の魅力をアップさせてくれるが ワタクシの鼻に香りが届きそうにないと氣づいて 汁に浮かぶ具のひとつですけど何か?状態でひっそりとお椀の奥へとひっそり退散していく
【ミツバ】春が旬のミツバさんはその爽やかな香りがキタイさんとの戦いを得意としてストレスやイライラの緩和をお手伝いしてくれて 更に食欲を高めて胃もたれまで防いでくれるらしい
いつか赤だしの最高のパートナーに復帰して堂々とお椀の真ん中を彩ってくれることを願う
【葉山椒】
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葉山椒さんを見つけて飛びついてみたものの 葉山椒さんの香りも同様にワタクシの體の中では見えない敵であるキタイさんに対して働くけれど 鼻に対しては休業中であるらしい
ピリリとした辛味があってカラダを温めてくれながら胸のつかえを取ったりむくみも改善してくれるらしい
ワタクシの鼻へ香りは薄薄しているが五味【酸苦甘辛鹹】は休まず稼働中である セリと一緒にお迎えしたアブラナ科の葉わさびの辛味は想い出を捨てずに居てくれたようである
【葉わさび】
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さっと湯通しして塩とお醤油にお世話になりながら準備をして頂く
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香り音痴期間の鼻へもツーツー届くその辛味に鼻も大喜びである
次回はザクザクにしてお海苔とゴマと一緒にホカホカの白ごはんの上へとダイブして貰おう
勢いある旬の新鮮グリーン食材はほんの少しのお醤油やお塩でその魅力を最大に爆発させてくれる
この春初めまして食材のパックに貼られて居たお名前は木の芽(タカノツメ)である
木の芽でタカノツメ?
タカノツメは漢字で鷹の爪ではなくカタカナで カタチも唐辛子スタイルではなく木の芽?
手のひらサイズのパックから届く情報に頭はパニックである
ただそのパックの中身がひたすら美しい
当たり前に春の芽吹きのど真ん中に居ます色を放っている 輝かしい新緑芽吹きテカテカグリーン
そのお名前も木の芽とド直球である
タカノツメさんも山菜が多く所属していらっしゃるウコギ科所属であるらしい
【タカノツメ】
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どこから観てもその芽吹き色が眩しくて愛おしい
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色っぽいよ艶っぽいよ
見た目だけでもすっかり木の芽さんの虜である
手触りも良いのでつまり歯触りも抜群であるだろう
下処理はハカマを脱がせるところからであるらしい
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緑が輝くように湯がいてアク抜きをしてお味噌汁へと浸かって貰おう
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テラッテラの舌触りを経て歯に触れる度にキュッキュッと鮮度を音で表してくれるタカノツメさん
味噌汁一杯では飽き足らず2杯目までその食感と苦味?を堪能し尽くす
今はただいつの日かこの食感に香りが相乗してくれるよう祈るのみである
もうひとつの今年の初めましてグリーンがこごみさんである
【こごみ】
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お存在は前々から存じ上げては居たのであるがどうにもその質感が 喉元を通過する時に独特のケバケバ感をもたらしてくれそうでいつの春も遠くから眺めるだけで終えていたのがこごみさんである
何故今更手に取ったのか
店頭でしれっとしつつもオーラがダダ漏れていた春の芽吹き感に微熱の残るホワホワした頭はうっかり魅せられてしまったらしい
芽吹きをそのままカタチにしたそのルックスは春の養生を味わい尽くしたいワタクシに最適だったのであろう
どうやらアク抜きも要らずクセも強くない 扱いやすい山菜として有名であるらしい
初めてのこごみは湯がいてそのままゆず味噌を乗せてみたら 意外にもつるんとしていて歯応えもオモシロい
歯応えに夢中で写真を撮り忘れている
ゆず味噌が合うならばと味噌汁の具としても活躍して貰おう
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この魅了的なお食材さんたちセリ、葉わさび、無農薬パセリ、タカノツメ、こごみは奈良のまほろばキッチンさんにて
葉わさびは奈良桜井の笠荒神さんのお蕎麦屋さんのお隣にて
破格の春菊さんは丸亀の産直市場さんにて
愛おし食材との出逢いの場である
芽吹きのエネルギーを直接届けてくれたのは野草である
潮風をたっぷり浴びてすくすく育っているのはアブラナ科のハマダイコンさん
【ハマダイコン】
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つぶらなお花も可愛らしいし美味しそう
ちょうど昼ごはんを終えてから出逢えたのでそのままシャクシャクと摘み食いをして消化サポートをお願いする
味見の結果 お豆の部分もそこまでカチコチになって居なかったのでおマメも柔らかいトゲの少ない葉も彩りとしてお花もサラダ用にお迎えしよう
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ハマダイコンのスッキリした辛味はサラダにもお味噌汁にも和え物にもすんなり馴染んでくれる
毎日食卓にあがっていて欲しい野草である
ハマダイコンのお隣でプリップリに生長していたのがツルナさん
【ツルナ】
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ぷりっぷりに育った肉厚な葉をプチプチと頂戴する
蔓菜さんはハマホウレンソウと呼ばれるように鉄分豊富でシュウ酸も含んでいらっしゃるから 胃袋への招待は湯がいてアク抜きをしてからとなる
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湯がいて水に晒してアク抜き出来たら酢味噌和えてクセのないお味とザラザラな舌触りを楽しんでみる
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早く胃袋へとお迎えしようとセカセカしていたのかアクが若干ピリリと主張している
日を改めて残りのツルナをお味噌汁とサラダにでもしようと海苔と混ぜてみたらどうにもご飯の上が似合いそうな雰囲氣に仕上がってくれたので肉厚なそのツルナのボリュームに期待してツルナ丼へと変更する
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ご飯と海苔ツルナの間には春の土用におすすめの白食材であるシラスがすっぽり隠れている
ノリノリで丼に乗ってくれた焼きバラ海苔
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週3で食べたいボリュームとバランスの丼である
ツルナのお膝元でひょっこり顔を出していたのがツユクサさん
【ツユクサ】
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今まで食べられるとはつゆ知らず畑の厄介者としてせっせと引き抜いて来たけれども クセも青臭さも感じさせないお上品なお味と扱いやすさから万能野菜としてヘッドハンティングしたい野草である
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縦に流れる線を持つ葉もこれまでカタいのかと思い込んでいたが新芽はシャッキシャキに歯応えを楽しませてくれる
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歯応えに喜ぶ記憶はあれども どう食したのか記憶にも記憶にも不明である
ツユクサさんは生薬としても働いてくれるらしいし古典文学にも愛されてきたらしい
これからますますお付き合いを深めて行きたい
今回はキタイさんに対抗する香りグリーンからすっかり野草日記となったので心の熱と茶の活躍はまたいつか
ひたすら緑を食んで氣づいたがしれっと顔の毛穴が存在感を潜めている
お肉がワタクシのカラダから食材として卒業してから 乳製品と卵と油ものと小麦粉が遠のいてから アトピーさんも花粉症さんもそのお存在を忘れられるくらいの 穏やかな日常が届いているのであるが どの食材をどのくらい胃袋へお迎えするのがワタクシのこのへっぽこボディに最適なのかあやふやなまま 何となく食事を続けて来たのであるが 華麗な加齢による主張だと思い込んでいた毛穴の在り方が今回の緑生活で一変している
毛穴のケアなんてキキョさんにべったり憑かれていつでも疲れきっているいるワタクシの體ではまともにエネルギーを割けるほど優先順位が上にない
化粧水?パック?美容液?
どれもワタクシの所有物には存在していない
顔が乾燥してそうな時にヒタヒタと潤いを届けてくれるのが八尾グランドホテルさんの温泉水である
あとの潤いは内側から必殺サンカンカインで調達すれば良いと目論んでいる
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酸味と甘味が潤いを作ってくれるらしい
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酸味と
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甘味が
潤いを作ってくれるらしい
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爽やかスポーツドリンクテイストである
油をガッツリ摂っているつもりもないが存在を主張していた額の毛穴さんはどうやらミドリを欲していたのかもしれない
このカラダには緑の摂取量をモリッと増やしても良さそうである
たらふく緑を食む新生活をはじめるとしよう
肝木 氣滞に野草する春
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