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描くことで生まれる癒しの時間ーーTamy(イラストレーター)×飯島淳彦(トラベラーズノートの生みの親)対談その1
トラベラーズノートに描いた食べものやさんぽの日記がInstagramで話題となり、現在フォロワーが10万人超えのTamyさん。そんな人気イラストレーターのTamyさんが東京のかわいい街20エリア、160スポットを案内する著書 『トラベラーズノートと歩く東京のかわいい街さんぽ』が発売されました。それを記念し、Tamyさんが「トラベラーズファクトリー中目黒」を訪れ、トラベラーズノートの生みの親、飯島淳彦さんとの対談が実現しました!
文:鞍田恵子
写真:三浦英絵
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Tamy
イラストレーター
エッセイスト
ドイツワインの輸入商社勤務を経て、結婚・出産。二児の子育てと義両親の介護の傍ら、ワインエキスパートの資格を取得。トラベラーズノートに描いた食べものやさんぽの日記がInstagramで話題に。丁寧でやさしいイラストで国内外から人気を呼ぶ。著書に『たべてしあわせ おいしいノート』(三交社)、『世界一おいしいワインの楽しみ方』(三笠書房)などがある。
飯島淳彦
トラベラーズカンパニー
ブランドマネージャー
発売18年を迎えた『トラベラーズノート』を展開する、文具ブランド「トラベラーズカンパニー」の責任者。旅と音楽と本をこよなく愛す。
トラベラーズノートの縦長のサイズが面白い
――Tamyさんはトラベラーズノートがきっかけで日記を描くようになったそうですね。
Tamy はい。トラベラーズノートは2015年の終わりごろから使い始めました。もともと御朱印集めが趣味で神社仏閣を描いていたのですが、食べものの絵を描いてInstagramにアップしたらたくさんいいね!が集まりまして。よかったらノートを見てください。
飯島 いいですね。絵はずっと好きだったんですか? そういう仕事をされていたとか?
Tamy はい、ちょっとだけ。スケッチするときは普通のスケッチブックに描くことが多かったんですけど、トラベラーズノートの縦長のサイズがすごく面白いと思って、常に縦長のサイズを意識して描くという挑戦を楽しんでいます。
飯島 パスポートサイズも使ってくれているんですね。
Tamy パスポートサイズは使い道にすごく悩みましたが、食べものの中で一番好きな稲荷寿司ばかりをずっと描いています。稲荷手帳ですね。レギュラーサイズは2冊持ちしていて、1冊はスケジュール帳、もう一冊は絵日記として使っています。
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飯島 僕が休みの日に持ち歩くのはこれ(マイトラベラーズノートを取り出す)。最初は画用紙のリフィルを使っていたんですが、その後、より水彩で描きやすいように水彩紙のリフィルを作ったので、今はそれを使っています。
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Tamy かわいい! 貴重なものをありがとうございます。街の人も味があって素敵ですね。もともと絵を描かれていたんですか?
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飯島 子どもの頃、絵が好きだったというのはあるんですけど、普段は全然絵を描いたりしてなかったんです。それこそトラベラーズノートのリフィルで最初に作ったのが画用紙だったので、サンプルを作って絵を描いてみたら楽しくて。子どもの頃の感覚がバーっと蘇ってきて、絵を描こうと思いました。今はブログにアップするために描いているんですけど、1週間に1回アップしています。
道具へのこだわりは?
Tamy 革製品がお好きなんですか? 私も革製品がすごく好きで、今日履いている靴は高校生のときにお年玉で買ったビルケンシュトックの革靴。もう何十年も使っているんです(笑)。
飯島 革はもともと好きで、トラベラーズファクトリーの革製品を使ってます。
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Tamy 革ってエイジングしていくのがすごく好きです。絵の具は何を使っていますか? 私は高校生の時にお年玉でウィンザー&ニュートンを買って、すごく長持ちしています。
飯島 物持ちいいですね(笑)
Tamy はい! 一生使うつもりです。トラベラーズノートも!
今使っているのは、エッチャーのミニパレット。Instagramで話題になって、「どこのブランド?」とよく聞かれるのですが、オーストラリアのエッチャー社が水彩アーティストさんとコラボしているものです。
固形パレットって色数がある程度決まっているじゃないですか。もっと自分用にカスタマイズしたいと思ったら、こういうのに入れちゃって固めています。
飯島 普通の水彩絵の具を?
Tamy そうです。陶器なので、割れてしまいそうでなかなか外に持って行くことはないんですけど、これがあるだけでテンションが上がります。
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飯島 僕は持ち運びやすいのがよくて、この水彩絵具セットを使っています。使ってみたらとてもよかったので、トラベラーズファクトリーでも扱うようにしました。
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Tamy いいですね。思い立った時にパッと出してパッと描けるのは大事ですよね。ペンは何を使っていますか?
飯島 ペンはステッドラーを使っています。
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Tamy グッズもすごく素敵です。水彩だけで全部仕上げられているんですね?
飯島 はい、そうです。描くのって楽しいですよね。手で描いているとすごい達成感があって、時間かけた分、成果が見えるというか。仕事って時間かけても意外と成果が出ないことがいっぱいあるじゃないですか(笑)。でも、目に見えて「できた」って感じを味わえる。そういう時間がいいんですよね。
Tamy そうですね。楽しいです。リラックスできる時間というか、癒やされます。
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二人の共通点は出不精だった!?
飯島 日記はどれくらいの頻度で描いているんですか? 毎日ですか?
Tamy 描ける時は毎日描きますが、描かない時は1週間空いたりとか。じつは出不精なんですよ(笑)。なので、「まず神社に行って御朱印もらったらここでお団子買って、ご飯はここで食べよう」と3つ決めてやっと出掛けられるんです。
飯島 わかります。僕もじつは出不精なんです。行くまでがダラダラして、パッと行けない。あまり計画性もなくて。もちろん行ったら行ったですごく楽しいですよ。絵を描くから行くみたいな、何か理由を作って出かける。それで結果的に綺麗なものを見れたり美味しいものが食べられたりするとすごく幸せです。
Tamy 友達と行くと、どうしても相手に合わせちゃうところがあって。結局自分が行きたいところも行けなかったりするので、ノートに描くために一人で行って、一人で完結しちゃったりしてます。
飯島 Instagramにアップされている動画を観ていると、サラサラっと描いているように見えますね。
Tamy とんでもないです! 8倍速くらいで短くしてありますが、1ページを2時間くらいかけて描いています。一番楽しい時間はレイアウト考えるとき。手帳全部を埋め尽くしたいという願望がありまして、スケッチブックなら失敗したら破ってしまうんですけど、トラベラーズノートは破りたくないんです。必ず1冊きれいに描き上げる。そういうミッションを自分に課しています。
飯島 すごい! 素晴らしい! 食べものが人気のようですが、建物もすごく上手じゃないですか。
Tamy 食べものが好きなんです。
飯島 そうなんですね。見ているとすごく食べたくなります。
Tamy 飯島さんのブログやInstagramをよく見ているのですが、昔から字が汚いことがコンプレックスだとおっしゃっていて、私も字や絵が特別上手ではないので、背中を押してもらったような、これでいいんだみたいな。
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飯島 これで上手じゃないって言われたら、悲しくなります(笑)。Tamyさんは下描きをされるんですか?
Tamy はい、下書きします。
飯島 ページに収まらなくならないですか? 特に地図なんてね。描いているうちに足りなくなっちゃうとかありますよね? 端っこが入らない、縮尺がおかしくなっちゃうとか。
Tamy よくあります。なので、地図は道から描き始めています。日常生活のすべてが「これは絵になる」「描いたら可愛いだろうな」って、すぐノートに描きたくなりますが、ワクワクするものを頭の中で切り取って切って、頭の中でスクラップして、帰ってから描いています。
飯島 頭の中がノートに(笑)
Tamy そのせいか、だんだん言語能力が低下して(笑)。「あれ・これ・それ」が多くなっちゃうんですけど。
パースをきちんと描かなくてもいいと気づいた
飯島 食べもの、お花、人物、何でも描けるというのが素晴らしい!
Tamy 最初はあまり建物を描くのが得意じゃなくて、遠近感のあるものがとても苦手だったんですけど、フィリップ・ワイズベッカーさんの作品を見て、パースをきちんと描かなくてもこんなに素敵なんだ!と感銘をうけまして、建築を勉強していない私なりの建物を描いてみようと思ったんです。
飯島 そういうふうには見えないですね。レイアウトも完成されています。
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Tamy ありがとうございます! 本当はいろんなところに行って仏像を描きたいんですけど、全然人気ないんです(笑)。仏像を描いたらフォロワーが減るっていう呪いがありまして、何ででしょうか?(笑)。
飯島 別にフォローまでやめなくても(笑)
(つづく)
【トラベラーズファクトリー中目黒】
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