有料の新人研修から盗もう講座 4日目~多くの人は目標の立て方を知らない~
僕の会社の研修が段々とマインドの部分ではなく専門知識の部分になってきたので、そろそろこのシリーズも終わりが近づいてきました。
今までの回を一言でいうと「素直」「努力の習慣化」です。
読んでくださった方、ちゃんとできているでしょうか?
ぜひこの4,5月は新入社員になったつもりで「素直」「努力の習慣化」を意識してみて欲しいです。
さて、今回は「努力の習慣化」の目的部分になってきます。
「努力の習慣化」という手段はわかったけど、何に向かってどんな努力をしていけばいいんだ...?
普段から目標について明確に意識している人以外はこう思うでしょう。
コンパスは地図があってはじめて使えるものです。
同じように
手段は目的が定まっていないと意味を成しません。
今回の講義noteは、プロサッカー選手で第一線を走っていた方が会社で話してくれたことを元に、より具体的に僕が脚色して話していきます。
これを見終わる頃には、より明確な、利用価値のある目標が立てられるようになっているはずです。
目標を立てるのは、達成するためじゃない
目標を決めて、達成するために頑張ろう!!
僕はずっとそう教わってきました。目標を達成しようと。
目標は達成するためにある。これは間違いない。
だけども実は「達成できない目標を設定すること」が目標を達成するという点で重要だったんです。
まじでわけわからんよね。↑の分。
前回の話も絡めて詳しく話していきましょう。
目標の役割
なぜ、目標を達成する必要がないのか。
それはここでいう長期の目標には以下の二つの役割があるからです。
「自分の向かう方向を決めること」(やることの決定)
「そこに到達するまで歩みを止めないため」(モチベ維持)
この役割の大切さを知ってもらうために二人の新卒の話をしましょう。
・営業で1000万稼ぐことが目標のAくん
・営業で自分と話したすべての人の人生を好転させることが目標のBくん
1年目
Aくんは数字を出すためにバリバリ頑張って、なんと新卒で1000万を稼ぐ凄腕プレイヤーになった。先輩や同期とも飲みによく行きコミュニケーションを深め周りにも好かれ一目置かれる存在に。
一方Bくんは目標の為にまず勉強をし、「このお客様には合わない...」と思った人には売らず、合うと思った人には時間をかけ、しっかり説明して売っていった。そのため一人一人に対する時間もかかり、1年目の成果はAくんの半分以下だった。
2年目
Aくんは「運が良かったんだろう」と思われている中、前年を超えるという目標を立て、それを達成し一人前のイケイケ営業マンになった。
Bくんも2年目になると、必要な勉強量が減りたくさんのお客様を相手にできるようになってきた。
3年目
Aくんは「今年も前年を抜くぞ!」という目標を立てたが、今年はダメだった。しかし、自分は今までうまくいってきたからと自信を持って営業に取り組み続ける。その熱量と勢いはやはり素晴らしく、相変わらずトップランカーであり続ける。
Bくんは商品の知識が盤石になったので、お客様のためになるような新しいことを学びながら営業に励み、成績はAくんと肩を並べるようになった。
4年目
Aくんは、実績が認められ部下を持つようになったが、自分の経験から根性論を部下に押し付けるように。ただAくんと似たタイプの部下には刺さり、チームでの成績は出ている。
Bくんは、お客様がBくんの心のこもった営業に感化されリピートや紹介が増え、さらに時間を使わなくても成果が出るようになった。成果はAくんを軽々抜き、部下には余裕のある時間を使ってしっかりと指導し、自分が当初なかった勢いの大事さも伝えつつ、勉強の大切さをしっかりと伝えた。
それ以降
Aくんはチームリーダーではあるけれど、この4年でチームから6人の退職者を出してしまう。自分の根性論に固執し、勉強をしたりしなかったり、資格を取ろうとしてみたり、迷走しつつも根性論で一定の利益を上げている。
Bくんは、教育の成果と業績の良さがかみ合い、個人、チームともに成績1位になった。7年目には管理職になり、これからもより一層お客様の人生を好転させるために自分がなにをするべきかを考えている。
と、まあ勢いで書きましたが言いたいことは伝わったと思います。
ポイントは3つあります。
1.Aくんのが最初は伸びた
2.Aくんは目標を達成した
3.Bくんは目標を達成してない
後述しますが、Aくんが掲げたような努力次第で達成できる目標もめっちゃくちゃ大事です。ただ、それだけでは不十分。
Aくんのような達成可能な数値目標だけでは、達成後にさらに目標を高くするというだけの回転作業になってしまう。回転作業の先で自分が何をしたいのかわからなくなっていく。
目標、それはすなわち洗脳
そして、反対にBくんの掲げたような「どう考えても達成できない目標」は永遠に届くことがありません。
しかし、その「達成できないけど自分の理想である目標」を掲げる事に意味があるんです。
達成できないということは裏を返せば一生続くということです。
それを「達成できないからいいや」と思うのではなく、「短い人生で理想にどれだけ近づけるかやってやる!!ワイはできる!!!」と自分を半ば洗脳することで永続的に目標に向かっていく力が得られます。
また、これは人生や努力の方向性を決めることにめっっっちゃ役立ちます。
Bくんは最後まで「さらにお客様の人生を好転させるためになにをするか」を考えており、Aくんは成果を上げるための迷走をしている。
これが自分の方向性が決まっている人と決まっていない人の差です。数値目標だけではダメな理由はここにある。
そして、Aくんのような数値目標も大事だと言いました。
勤勉な人はもう察しているかもしれませんが、これからスモールステップについて話していきます。ご存知の方は復習がてらサラッとみていきましょう。
スモールステップとはなんぞや
スモールステップとはすぐに達成できるような小さな目標です。短期目標とも言う。
ただの短期目標じゃなくて、徐々にその高さを上げていくからスモールステップって言われてるンゴね。
例えば腹筋10回を目標にしてるけど、今は5回が限界。じゃあ明日は6回を目指そう。明後日は7回しよう。
って感じ。
一応さっきのAくんもやってましたね。ちゃんと前年を超えるっていうステップアップもあった。
じゃあ、なんでAくんのやり方が不十分だったかと言うと、Bくんのような目的になるレベルの「大きすぎる目標」を立てていなかったからです。
「成果を上げて高い報酬を得る」という手段のみが独り歩きしている状態ですね。これだけだと最終到達点がわからずに迷走しちゃう。
「成果を上げてor高い報酬を得てなにがしたいの?」が大きな目標で、これは達成できないくらい抽象的で途方もない方がいい。
「悔いのない人生(実現不可能)にするために
経済的に自由になりたい(大きな数値目標)
そのためにまずは月に1本契約をとる(数値目標)
そのために毎日営業を100回仕掛ける(小さい数値目標)
でも昨日は80が限界だった、明日は81回やる(スモールステップ)」
こんな感じです。
そして、週単位でも見直しをして「今週は100回以上営業ができた日が3日だった。来週は4日にしよう」
「今週は毎日100回以上営業できた。来週から110回の日をカウントしよう」
という風に小さく小さく難易度を上げていくんです。
お察しの通りこれは前回書いた習慣化に直結しています。
その理由はどんなに小さな目標でも、それを達成することで「目標に向かって進んでいる気がする!」と思えるから。
この「進んでる気がする!」って思うのがめちゃくちゃ大事で、オックスフォードあたりが「7割くらいの人がこの『進んでいる』感覚を体験し続けることでモチベーションを維持できる」って研究結果をだしています。
CiNiiとかで調べれば日本の研究もたくさん出てくるのでソースが知りたければぜひ。
言いたいことまとめると
まずでっかい目標(完璧には実現できないけど近づこうとすることで方向性が定まるような)を設定して、それに近づくための手段を細分化する。
その細分化のレベルは{1ヵ月、1週間に1回超えられるレベル}と{毎日超えられるレベル}のものがあるとベストですね。
例えば僕の電話営業だったら
でっかい目標:不動産投資のイメージを改善し、身近なものにする
そのための目標:そのために、まずは少なくともこの会社で一番不動産の知識があると自信を持てるほど勉強する(この段階ではまだかなり大きい)
小さな目標:そのために、一日1時間勉強をする。
スモールステップ:一日一分ずつ勉強量を増やす。
って感じですね。
まとめ
例えば、腹筋を割ろうという時に「とりあえず腹筋を10回やろう。それができたら15回やろう」という設定をしてしまうと...
・腹筋が割れない自分が嫌になってモチベーションが下がる
・10回もできない自分が嫌になる
・仮に11回まではスムーズにできたけどどうしても12回が超えられないって時に超えるエネルギーが持てない
ってなるから大きな目標を決めて、そこからスモールステップを作っていこう。という話をしました。
つまり
何で腹筋を割りたいのか
↓
モテるため
↓
腹筋も大事だけど、もっと先にやるべきことは本当にないか?
↓
ファッション、髭、髪セット、スキンケアのが優先?
↓
じゃあスキンケアの一環として運動して、運動の中で代謝を上げて、その手段の一つとして腹筋もやろう。
・
・
・
というように、「自分のやりたいことの源泉を探る」のを最優先でやろうということです。
自分がしたいことに対して「なぜ?」を嫌と言うほどぶつけてください。そして「なぜ?」が言えなくなったところが大きな(達成不可能な)目標です。
その目標から、具体的に何をしていくかを考えていきましょう。
そして、一日に1回、週に1回、月に1回見直せるような大きさのステップで計画を組みましょう。
新人研修に来れたプロのサッカー選手の方は、高校の頃にワールドカップの選手になるために30歳までの目標を緻密に書いて、そこからやるべきことを年次で割り振って行ったそうです。
その目標は細かくは達成されませんでしたが、サッカーが好きな人なら絶対に名前を知ってるレベルの日本代表として選ばれるような選手になりました。
今回は僕流にもっともっと細かく具体的に、かつもっと大きく抽象的な目標を掲げることを言いました。
ぜひ、一生立ち止まらない無限のモチベーションを手に、正しい努力を重ねていきましょう。
そんじゃ。