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休みの日は書店からの漫喫
今日は急に仕事が休みになった。前日にそれは決まったため、なんの予定もなかった。ずっと家にいるのも退屈だから、町に出た。
まずは地元の大型書店に行く。ぼくは暇があれば本屋さんに行くのが好きだ。それが趣味と言ってもいい。無数に本が並ぶ棚の行列をながめるだけで、ワクワクする。
ただ、選択肢が多すぎると逆に選べなくなるのが人間だ。本屋に行くまでは、ある程度は買う本の目星があったはず。しかし実際そこに足を運ぶと、なにを買おうか迷ってしまうことが多い。
結果的に、以前すごくおもしろいと思った『イニシエーション・ラブ』(乾くるみ、文春文庫)の続編である『セカンド・ラブ』を買った。
あともう一冊、『蛇にピアス』(金原ひとみ、集英社文庫)も買った。こちらは2004年の芥川賞受賞作であり、映画化もされている。
買った本を手に、次は漫画喫茶に向かった。ここ最近、満喫(まんきつ)のブースで時間をすごすのを気に入っている。そこで読書するのだ。
腰を落ち着けるのでさえ難しい現代の都市部では、自宅以外では数少ないプライベートな空間だ。自宅ではあまりにリラックスしすぎてしまうが、漫喫は一応公的な空間でもあるため、本を読むにはちょうどいいコンディションである。
リクライニング・チェアに身をあずけ、さきほど買った『蛇にピアス』を読んだ。
この本の舞台は、いわゆるアンダー・グラウンドな世界だ。性的だったり暴力的だったりする描写が、結構多かった。
スプリット・タンという、舌の先が蛇のように二股に分かれるような、人体改造を施すプロセスが書かれた場面は、読んでいるだけで痛かった…
芥川賞をとった本は、比較的短い小説が多く、内容は純文学である。まあ純文学が何かもよくわかっていないのだが。
とにかく、受賞作は何冊か買ってはいる。『限りなく透明に近いブルー』とか、『コンビニ人間』とか。後者は何年か前に友達と一緒に読んだな。
しかし、これらの小説は決して読みやすいものじゃないと思うのだ。それに対して直木賞の本は、『下町ロケット』や『蜜蜂と遠雷』など、ストレートに「おもしろい!」という感じの本が多い。
こうみると、「自分には文学的な素養がないのかなあ…」などと思ってしまう。それでも興味はあるから、買っちゃうんだけど。(芥川賞の本って、読んでたらなんかかっこいい感じするし。)
話を戻すと、『蛇にピアス』だ。猟奇的な物語では『殺戮にいたる病』も読んだが、僕個人的には、それよりキツかった。
文字を読むだけで、これだけリアルに痛覚を刺激されたような感じになるの、人間心理とは興味深いものだな。でも再読は難しいかも…
本を読むには、やはりある程度の集中力がいるし、まとまった時間があると理想的だ。今日はたまたま休みになって、読書を楽しむことができた。
漫喫のブースで小説を読むのは、かなり世界観に没入できて、おすすめだ。2時間くらいいたが、1000円ほどの料金。経済的にもそんなに負担はかからない。
本は買った当日が、もっとも読むことに対するモチベーションが高いと思う。(『セカンド・ラブ』は結局、今日は読まなかった。)
書店に行って本を買ったら、直後に漫喫。この流れはなかなかいいものだ。みなさんも休みの日には、どうだろうか。
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