今年も福寿草が咲いた
今年も福寿草が咲いた。地面にニョキッと黄色い花が咲いた。福寿草は元日草とも言われるが、毎年2月頃、まだまだ寒い時期に咲く花だ。例えば
雪間より顔出すほどや福寿草 服部嵐雪
福寿草咲きぬ雪間の石の上 小林一茶
こんな句があるように雪と同居しながら黄色い花が咲く。俳句では元日の季語となっている。しかし実際に咲くのは少しずれて2月から3月の花だ。今年もついこないだ雪が降り、雪かきをしたばかりだった。雪が溶けるともう株全体が育ち、花が咲きだした。
隣町の沢底という地名のところではいつも自分の庭の福寿草より早く咲く。沢底という名のとうり、谷のようになっていて南向き斜面で咲くようだ。ようだというのは私も見たことがないからで、隣町の町花に福寿草がなっているのも知らなかった。地元新聞では毎年沢底の福寿草の開花を告げる記事が春の到来を感じさせる。遅れて私の庭の福寿草も咲いたのだ。
他にも俳句で
充電完了福寿草がひらく 井原美鳥
こんなのもあって、充電という今や日常のルーチンとかしている行為と、エネルギーがたまって花が咲くという感じがして面白い。花というのはエネルギーを一気に放出している感じがする。
知らずとも良きことのあり福寿草 新沢伸夫
本当に知らなくても良いことっていっぱいあるよなと思わせる句です。どうでも良いことをニュース中毒のように追いかけ回していると、それとは別のこととして福寿草を見るという行為が楽しくなる。
日光を全て受けとる福寿草 千葉禮子
黄色い花が咲いている様子は寒い冬の中で、陽の光も弱まっているのを集めて咲いている。そんな感じをよく表していると思う。充電完了という感じもしてくる。エネルギーが満ちていく感じがいい。
今週末寒くなるみたい。でもそれが終われば春だ。庭のチューリップもヒヤシンスもクロッカスも芽を出しだしている。それらも咲くだろう。毎年訪れる春が今年もやってくる。