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山形の田舎でグランピング施設を作った不安と2年目に起きた大きな変化

こんにちは。
今日は、山形県村山市のyamagata glam(ヤマガタグラム)がオープン2年目を迎えて、当時の不安のようなものとその後に起こった嬉しい変化をグランピング施設立ち上げプロジェクトメンバーであり現在も運営サポートに携わっている私の目線で想いを伝えたい思います。

オープン当時の地域への想い

2020年12月、最上川の畔にある村山市碁点地区に8棟のドームテントが並ぶグランピング施設が誕生しました。

建設中のyamagata glam
怪しい形の建造物に近隣の方も「何事!?」という感じでした。

本来は2020年のGWにオープン予定でしたが、感染症が広がりはじめる中で社会情勢を鑑みてオープン時期については半年ずらしてのオープンとなりました。

「山形県初の体験型グランピング」と銘打った施設ですが、何がオリジナルかというと「地元地域のアクティビティ体験とグランピング宿泊体験がセット」になったサービスという部分で差別化を狙っていきました。

オープン当時の地域アクティビティ体験ラインナップ
・最上川三難所舟下り
・そば打ち体験
・温泉大国山形の湯遊び体験
・温泉SPAプール体験

これらのアクティビティ体験がyamagata glamに宿泊するとすべて宿泊料金に含まれているというのが特徴で、自由に体験参加することができます。

もちろんのんびりアウトドアを楽しみたいという場合はスルーしても全然問題ありませんので自由に滞在スケジュールをプランニングすることができます。

アクティビティ以外に、夕食や朝食においても極力地元の食材やお店から調達しようと、米粉で作る米ワッサンがとてもおいしい人気のパン屋穂たるさん(@vU3Uv_Chu)や夏メニューのピザを更においしい餅ピザしてくれるこめやかたさん(@komeyakata.mochiなど、地元村山でお店を持つ皆様にもご協力いただくことで季節感と地元感がギュッと詰まった食事メニューを完成させることができました。

食事を召し上がったお客様が「これはおいしい!」と言ってくれて宿泊の帰りにお店を訪れてくれるような周遊観光につながると考えてのセッティングでした。

結果は予想通り、相互誘客のようなバランスを取ることができて本当に良かったです。

積極的に地域と関わってみた

運営を進めるにつれて、村山市以外の県内企業さんともテントの内装デザインをコラボレーションするという切り口でお声がけをさせていただきました。

鶴岡市立加茂水族館さん(@JELLYFISHAQ
米織小紋さん(
@yoneorikomon
どちらの企業様も突然の提案にも関わらず快諾いただき実現した期間限定のコラボルームでした。
ここでもSNSでの相互発信のみならず、各社のパンフレットや割引クーポンなどをテント内やフロントに設置することで宿泊からの送客につながるような仕組みを盛り込みました。

コラボルームは宿泊客からも盛況で、ドームテントを活用した新しい切り口での商品の見せ方というものの可能性を感じた瞬間でした。

私たちは更にその後、2つの地元地域のアクティビティ体験を宿泊プランに追加していきます。
ホースガーデンさんの乗馬体験と碁点焼体験。
これらが宿泊するお客様により多くの選択肢を与え、より地域での滞在時間を延ばし、思い出も色濃いものとなる。
私たちはそう考えながら村山市内に「何か付加価値のある体験コンテンツが存在しないか?または生み出せないか?」をいつも探しています。

閉鎖的な地方都市の傾向

これは私の勝手なイメージですが、地方のローカルコミュニティでは「余所者は認めない」みたいな少し排他的な印象がありました(本当に私個人のイメージです)
古窯グループとしても村山市には何の拠点も持たない新天地であり、旅館業を中心として展開している私たちグループは果たして地域の皆さんに快く受け入れてもらえるのだろうか?
まして誰もほとんど実態を知らないグランピングという新しいサービス形態。
そんな不安もわずかに抱えたグランピング施設の立ち上げプロジェクトでした。

だってよく考えてみて下さい!
yamagata glamってドームテントと管理棟しかないんですよ。笑
地域のアクティビティ体験はもとい、お風呂でさえ村山市が公営するお隣のクアハウス碁点さんにお世話になっている訳で、yamagata glam本体そのものだけでは全くサービスとして魅力が薄い設計なんです。

「村山市の地域の魅力に生かされているのがyamagata glam」

特に「旅館」というのは今でこそその風潮はありませんが、従来はサービスのすべてが施設内で完結してしまう。
悪く言えばこちらも閉鎖的なサービス形態とも言える訳で、地域観光における基盤産業であれどお世辞にも地域との連携がうまく取れているという感覚はあまり感じてもらえてないということにも気付いていました。

でも、それはすべて杞憂でした。
行政の方をはじめ、アクティビティ体験の連携申し入れや食材調達のための相談、地域での決まり事を教えてくれたり、通りすがりに声をかけてくれるご近所の皆さん、地域のたくさんの方々がとても好意的に受け入れていただけました。
私たちは、それが嬉しくてこの記事で挙げてきた様々な取り組みへモチベーション高く取り組んでこれました。

グランピング施設を通して山形県内や宮城県を中心に、村山市へ10代~20代の多くの若者が訪れるようになりました。
地元の方はその変化をプラスに感じてもらえているようです。

地域の人が集う場所になる日

そのような流れの中で、私たちにとっても大きな変化が訪れる日がやってきます。
村山市で地域密着型マルシェを開催して活動している「やままる」さん(@yamamaru_murayamaからマルシェの開催拠点としてお誘いいただけたのです。

2022年4月に2daysで開催されたマルシェは桜満開のyamagata glamが開催拠点となり「さくまる」と名付けられました。
2日間でのべ30店舗が参加し、来場者数も数百名にのぼる規模で大盛況なイベントとなりました。
私たちもこのようなイベントは初参加でドキドキでしたが、普段はできないドームテントを自由解放したり、スモアや骨付きソーセージを販売したりと地域の人と人とのつながりを感じることができた貴重な体験でした。

満開に咲き誇る桜並木と最上川を臨む最高のロケーションで地域マルシェは大成功に終えることができました。。

「こんな風に少しずつ地域の皆さんと繋がれたらな…」

2020年冬のオープンから2年目、少しずつ地域の一員として地元の魅力を一緒に発信していける仲間になれた気がして。
オープン当初には感じなかった地域のエネルギーのようなものを感じるようになりました。

そして2022年8月、宿泊するお客様以外からもオンライン予約を可能にして開催された「スカイランタンナイト」
このイベントには2日間で来場者数400名を予定する大きなイベントとなりました。(天候不順で1日は実施できませんでした)
ただ、振替開催が9月24日に予定されているのでそちらも是非とも成功させたいと思っています。

地域の企業・個人同士が繋がることで、地域そのものに何かキラキラ感のような光が生み出されるような気がします。
私たちはこれからもこの山形・村山のキラキラを発信していけるように頑張ってみたいと思う。


all photos & movie 木幡純一
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