『ドリアン・グレイの肖像』オスカー・ワイルド 1962.5.2 発行 新潮文庫
刺激的な表現や逆説が多く、驚異的な作品でした。というのも、皮肉な表現、奇抜な考え、真理、戒めとなる言葉といった格言や箴言が多くこの小説の中には埋め込められていたからです。
こういった警句が多くあったのは印象に残り、納得する部分が多々ありました。
ドリアンの肖像画はドリアンのもう一つの自分。ジビルが自殺したことを契機として、ドリアンの外見は変わらない代わりに、ドリアンが悪行を繰り返すたびに肖像画の方が醜く歪んだ姿になっていきます。
逆に善行を繰り返しても肖像画は何も変わっていません。最終的には肖像を突き刺します。
つまり、もう一人の自分を突き刺して死に、醜かった肖像と若さを保ち美しかったドリアンが肖像画の方になり入れ替わる形になります。
身体=外見と、魂=内面の関係、外見の美しさと内面の美しさが直結するのではないなと思いました。
自分から目を逸らしても、結局は「自分からは逃れることはできない」のだと思いました。
印象に残った文章
ここまでお読みいただきありがとうございました。また次の記事でお会いできたらと思います。