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 新しさとは、現在世の中にないことである。
 これくらいは当たり前だ。
 では文学の新しさとは何だろうか。
 新しさを語るとき「フレッシュな」「若々しい」などと共に語られる。
 新しい作品は、現在ないのだから、出会いがあるはずだ。
 歳をとっても出会いがあるはずだが、なぜ若々しいエネルギーと共に語るのだろうか。
 文学賞の審査員の先生方が言うと、何となく、若い作家を求めているようにも聞こえる。
 もちろん若ければ伸びしろが大きそうだし、ビジネスとして長く続けられる。
 自分の解釈は、物語に時代を込めることだと思っている。
 日本では、時代の閉塞感を感じる。
 他のエッセイで書いたので詳細は割愛するが、経済的には破綻寸前だとも言われている。
 SDGsという新しい概念も生まれた。
 グローバルに持続可能な社会を志向することは新しくない。
 だが、相容れない概念だと思われていた、資本主義の経済活動とも調和したことが新しい。
 物語の深い部分に、このような時代の「気分」を込めることが新しさだと思う。

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越庭 風姿 【 人は悩む。人は得る。創作で。】
「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。