溶景
夏は過ぎ去り ほのかに風が
木々を揺らす 肌は
微かな熱を感じていた
自転車に乗る小学生達はいずこへ行くとも言わずいずこかへ行き
我が眼は下方の蟻をじっと眺めていた
ああ、この脳髄はあらゆるものを眺めて決断しようとする
しかし風景はそれ自体一つの景物として存在し
そしてこの無痛の脳髄もまた
秋の風の中にしとやかに溶けていった…
夏は過ぎ去り ほのかに風が
木々を揺らす 肌は
微かな熱を感じていた
自転車に乗る小学生達はいずこへ行くとも言わずいずこかへ行き
我が眼は下方の蟻をじっと眺めていた
ああ、この脳髄はあらゆるものを眺めて決断しようとする
しかし風景はそれ自体一つの景物として存在し
そしてこの無痛の脳髄もまた
秋の風の中にしとやかに溶けていった…