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春分の京都旅行「薫習館」香りの文化を伝える発信拠点


無事最終回を迎えることができました。これもひとえに皆様のおかげでございます。いつもスキをありがとうございます。フォローありがとうございます。記事をご覧になって頂き誠にありがとうございました。

薫習館の紹介を持って『春分の京都旅行』の締めと致します。ここだけの話ですが三月から今日まで京都へ足を運んでおりません。完全にストックが尽きてしまいました。嵐山観光の様子を近日お送り出来ればと思っています。ささやかな体力づくりはしていますが熱中症で倒れないよう万全を期すつもりです。

せっかくの最終回なのにまぁ校長先生の朝礼みたいな長話もなんですし、挨拶をさっさと終わらせて旅の続きに参りますね。



なぜ薫習館なのか


なぜ雨模様の烏丸通を、わざわざ30分近くかけて因幡薬師から薫習館くんじゅうかんまで歩いてやってきたのか。皆様には少し説明が必要ですよね。

二つ理由がありまして、1つ目の理由は京都検定合格者のみが利用できる優待サービスが薫習館で受けられたからです。 「せっかく二級に合格したんだから貰えるものはもろとこか!」ということで受付の方に合格証を提示。無事来館記念品をいただくことができました。何をもらったのかはあえて秘密にしておきますかね。


2つ目の理由は単純に香りの文化を知りたかったからです。以前三条西実隆のお話をしました。京都には大徳寺の茶道、六角堂の華道だけでなく、香道という芸道があり今も御家流や泉山御流などが続いております。


香道といえば江戸時代に流行した源氏香が代表的でしょうか。源氏香之図の紋様を皆様はどこかで一度は見たことがあると思います。記号のような形をしているので『山村美紗サスペンス 京都・源氏物語殺人絵巻』では謎解きの題材になりました。山村紅葉さん素敵だったなぁ。

それにしても香道の分野にまで源氏物語の影響が及んでいるなんて本当にスゴいことですよね。世界に誇れる日本の偉大な女流作家・紫式部。ようやく大河ドラマになったのかって感じですよ。ごめんなさいつい熱くなってしまいました。そろそろ次のテーマに行きますね。



かおりBOX


入館した人が一番最初に目にするのがコレだと思います。

見たことのない天井に吊るされた不思議な設備。こちらは密閉空間の香りを楽しめるBOXになります。私は躊躇しました。周りには外国人グループもいます。さすがに一人で入る勇気を私は持ち合わせていません。他の展示品を見て回り、周囲に誰もいなくなったことを確認してから素早く入りました。『かおりBOX』は周囲に分散しないよう腰まで箱の外側を下ろせる仕組みになっています。

すっごくいい香り。画像や文章だけではこの感動をお伝えしきれないので皆様もぜひ体験してみてください。展示ルーム中央に位置する設備なのでけっこう注目を浴びますよ(笑



製作工程ミニチュア


こちらは製作工程ミニチュアです。

とても精巧なつくりで実にお見事でした。公式サイトにも書かれていますが、江戸時代に工法が伝わり一部機械を使用しているものの製法そのものは現在も変わっていないそうです。

いやぁめっちゃ勉強になる。



白檀の大木


こちらに立てかけられている木板は白檀びゃくだんの大木になります。

白檀といえば庶民が決して手に出せない超高級品です。このような大きな白檀を見る機会はなかなかないそうですよ。



松栄堂京都本店


松栄堂のこと
ここ烏丸二条に創業して300余年
12代に至る今日まで一貫して香づくりに励んでまいりました。
伝統に培われた豊かな経験値・情報力・技術力・・・
そこから生み出されるのは
宗教用の薫香をはじめ、茶の湯の香、お座敷の香、
手軽なインセンスや匂い袋など[香百般]。
匠の心を守り継ぎながら、時の移り変わりとともに
新しい香りを創造し続けています。

《館内紹介文を引用》


薫習館は日本の香り文化を伝える情報発信拠点になります。香老舗の松栄堂京都本店が併設しており、香りの品々を購入する事ができます。

学生は勉強は嫌いだとよく言っていますが、知識って人生を楽しくするスパイスだと思うんですよね。香りの歴史や文化を知っていると人生倍楽しめます。これは過言ではありません。

昔は公家や高僧など上流階級の間でしか使われなかった香りの文化ですが、今は香水や消臭剤、柔軟剤と香りに触れない日はありません。我々の日常生活に溶け込んでいます。どうやって作られているのか。どこから抽出されたものなのか。私達にどのような影響をもたらしているのか。これらの知識を得ることで何倍も何十倍も香りを楽しむことが出来るのです。


そうそう。

お笑い業界を震撼させているランジャタイ。彼らのコンビ名は正倉院に収蔵されている香木であり天下第一の名香と謳われる蘭奢待から来ています。破天荒な芸風とは真逆の知的な名前ですよね。



驚いた展示品その1


異様に細長いこちら。

薫習館の開館時間に合わせて特別に製作された約140㌢の御香になります。説明文には「お部屋で使用する際には7㌢(約15分)の御香をお使いください」と注意喚起されていました。そりゃそうですよねー。



驚いた展示品その2


時香盤じこうばん
粉末状のお香を用いる香時計は、「時香盤」「常香盤」などと呼ばれ、密教用具として広く普及した。
箱に灰を敷きつめ、その上に木型を用いて溝を作る。
これに抹香まっこうを盛って端から火をつけ、香の燃え進んだ長さによって時の経過を知るという仕組みである。

《館内解説より引用》


比叡山などでは堂内に閉じこもって光の届かない場所で修行をすることがあります。おそらくそのような場所で時香盤のような道具が重宝されてきたのでしょうね。あと太陽の位置がはっきりしない曇天の日にも活用できそうです。

お線香にご焼香と仏教にお香は欠かせません。時を知る機能があればまさに一石二鳥の道具と言えます。


こちらは京都精華大学の学生作品になります。

こちらの壁面は毎月変更されるそうで皆様が訪れた際には別の作品が並べられていることでしょう。



驚いた展示品その3


なんぞこれ。


ビー玉だ。懐かしい。


なるほど。

ビー玉転がせばおのずと説明文にも目がいくという仕組みです。ピタゴラスイッチとは少し違う面白い学び方ですよね。

コロンコロン♪~


「お盆に乗っているビー玉の数=体験した人の数」となります。

ちょうどいい感じの傾斜だったので転がるビー玉を眺めつつ説明文がスッと頭の中に入りました。



驚いた展示品その4


香時計こうどけい
古代中国において夜間の時を刻むものとして用いられた火時計。線香時計ともいいます。糸でつないだ七対の金属球が一定間隔で吊されており、その下を線香が進むにしたがって糸が切れ、落下した球が下の鐘を鳴らして時を告げる仕掛けになっています。時の神を祀る滋賀近江神宮には、龍をかたどった香時計がスイス・ロレックス社より奉納されています。

《館内解説より引用》


これまでのお香の時計は視野で時を知らせていました。こちらはなんと「音」で時を知らせる道具になります。

私も夜中に起きることが多い(老い?)ので、暗闇の中時刻を鐘で知らせてくれる機能は大変ありがたいです。ただこちらの香時計、一回使用するごとにお香と糸をセットし直さなければなりません。執事やメイドがいるような大金持ちじゃないと非常に面倒な仕様になっています。


滋賀近江神宮ではロレックスが奉納した古代火時計のほか、時計館宝物館にて様々な時計が展示されています。


基本的に滋賀県まで足を運ばない私ですが、上御霊神社の奉納時計を見て以来ずっと時計の歴史について気になっていました。比叡山坂本へ向かう際に途中下車するのもいいですね。「旅の行きたいリスト」にチェックしようと思います。


以上で薫習館の紹介と春分の京都旅行は終わりとさせて頂きます。ご精読誠にありがとうございました。

次回の京都旅シリーズは投稿日未定ですがなるべく早くまとめていきますね。それじゃまたね。



今回の観光スポット

©️Googleマップ
「薫習館」


追記

note公式マガジンに記事が掲載されました。ありがとうございます。


『私のイチオシ』応募作品の中で、スキの二週連続一位を獲得しました。皆様ありがとうございます。感謝!!

2024/07/29


2024/08/05


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