【hint.649】骨身に染みてくる感じ
昨晩は、今年最初の「原書で学ぶアドラー(原アド)」の活動日でした。
長いなが〜い「第4章 THE WORLD WE LIVE IN」のうち、今回は「IMAGINATION:想像」と「FANTAGY:空想」のテーマを、メンバーと一緒に読み込んでいきました。
「IMAGINATION:想像」についての文章の中で、結論的に扱われていた部分が特に印象的でした。引用します。
We may conclude from our previous discussion that hallucinations appear in that moment when the psychic tension is at its greatest and in circumstances in which one fears that the attainment of one’s goal is impossible.
(ここではキーワードと思ったものをコチラで太字化)
「幻覚」は、精神の緊張が非常に強くなったり、自分が定めた目標を達成することができないかもしれないという恐れがあるときに現れる。
自分の精神を守るために、いわゆる「幻覚」は、都合よく使われることが多いのだよ。ということですね。
実際に原書の中では、具体例として「結婚に反対して親子の縁を切ってきた両親に、その対応が間違っていたのだと認めさせようとして、『聖母マリアから余命を知らされた』という話(幻覚)を持ち出してくる女性」などが挙げられていましたね。
具体例の部分は、ちょっとした小説のようにも読むことができました。
もうひとつの、「FANTAGY:空想」について書かれた箇所で、印象的だったのは次の箇所です。
The fantasies or children and grown-ups, sometimes called day-dreams, are always concerned with the future, the "castles in the air" are the goal of their activity, built up in fictional form as models for real activity.
(ここではキーワードと思ったものをコチラで太字化)
「空想」とか「白昼夢」とよばれるものは、未来とのつながりが常にあって、「絵に描いた餅」はその人の目標であり、実際の行動のモデルとなる仮想的な型をつくりあげる。
「空想」とか「白昼夢」というのは、自分のこれから目指すべきもの、自己理想として機能し、その実現に向けての具体的な行動イメージを、僕たちに与えてくれる、と。そのような感じでしょうかね。イメージ湧きますね。
ただ、ここでも、「その『空想』とか『白昼夢』には、『共同体感覚』がセットになっていないといけないよ」ということも書かれています。
そうじゃないと、自分やごく近い仲間だけに都合のいいことをすることになって、たくさんの人の不利益につながってしまうからね、と。
そこまでハッキリとはここでは書かれていませんでしたが、これまでにぼくが触れたアドラーさんの主張から、行間を補うとこんな感じなのかなと。
そういう意見交換もできて、またすこし頭の整理ができました。
やっぱり「原アド」の活動は、地味でコツコツとしたものだけど、骨身に染みてくる感じがして楽しいです。
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