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noteをはじめたキッカケ|もう少し語りモード 巻の伍
今回も語ってみるか
改めまして、山田太朗(仮名)と申します。
noteの復活から1か月ちょっとが立ち、まだまだリハビリ中です。
今回は、noteを使うことになったキッカケを、拙文は承知の上で、少し振り返ってみたいと思います。
プロローグ
(ポーン)
山田(仮名)
「これまで、筆を取って、何かを伝えたいと思ったことがなかったですね。」
筆を取ることを避け続けてきた一人の男がいた。
その男の名は、山田太朗(仮名)。
山田(仮名)は、すでに中堅の社会人となっていた。
社会人になって●●年、世間で観れば立派なオジサンになっていた。
それなりの社会経験は詰んだこともあり、ある程度以上のスキルは身につけていた。
ただ、そんな山田(仮名)にも、生来苦手としていることがあった。
山田(仮名)
「今でも、基本、面倒くさいのはダメですね。特に何かを文章にするのは全く無理ですね。報告書なんかも、なるべく手数をかけないよう、必要最小限を心がけています。何か書けと言われても、何とか書かずに済む方法を探してました(笑)」
山田(仮名)は、筆不精である。
実際、会社での書類の作成は、いつも苦戦している。誤字脱字は日常茶飯事である。推敲も苦手である。
上司からはもちろん、同僚からも、部下からも、文章はよくダメ出しされている。
書くことが苦手
書くことが面倒
書くことが嫌い
しかし、そんな彼が、noteという新たな挑戦の場へ足を踏み入れた。
「書く」という行為に、一体何が彼を動かしたのか。
本題
始まりは
山田(仮名)
「はじめは、そんなに、毎回毎回、言いたいことなんてなかったですね。ただ、みんながやっていることを後追いしたり、たまに愚痴を挟んだりでしたね。」
山田(仮名)は、遅ればせながら、2020年にX(Twitter)を始めた。
周囲でSNSを始めた人も増え、時代に取り残されないようにという消極的なモチベーションによるものだった。
X(Twitter)は140文字の世界。
言葉を最小限に絞り込み、緻密に配列されたつぶやき。
しかし、その文字列の並び替えさえも、次第に山田(仮名)を疲れさせていいった。
山田(仮名)
「最初は楽だったんですよ。短いし、適当に書けばいい。でも、気づけば140文字すら面倒くさくなって、そのまま投稿も面倒くさくなるループというか…。」
140字の文字列でさえ、気がづけば内容を考えすぎている。限られた文字数の中に思いを詰め込む作業は、筆を持つことが億劫な筆不精の山田(仮名)にとっては、息苦しかった。
タイムラインから知ったnote
山田(仮名)
「X(Twitter)のタイムラインで、たまたま、ある記事流れてきたんですよね。ちょっと胡散臭い感じでしたけど。」
ある日、山田(仮名)は、X(Twitter)のタイムラインを眺めていたら、あるつぶやきが目に入った。
つぶやきには、noteへのリンクが張られていた。
山田(仮名)は、もとの記事であるnoteを開いた。
その記事は、いわゆるなろう系の自己啓発の内容であった。
山田(仮名)にとって、記事そのものは必ずしも共感できるものではなかったと振り返る。
そこには、しかし文字数の制約もなく、思いのままに書き連ねられた長文。そこには、感情も、考えも、ゆったりと表現されていた。
山田(仮名)
「noteを見つけた時は『なんでこんな長い文章書ける場所があるんだ?』ってちょっとびっくりしました。しかも、自分で好きにテーマを決められるなんて。面倒くさくない?かって、そりゃ、最初はムリゲーの気分ですよ。」
山田(仮名)は、その後も、別の記事を読んでみた。
そこには、自由があった。文字数に追われることなく、じっくりと自分の考えを伝えられる場に映っていた。
山田(仮名)
「これかなと。自分のペースで、自分の言葉で、しっかりと伝えることが、できるんだなと。その方が面白そうかもと思いましたね。」
その気持ちが冷めやらぬままに、山田(仮名)はnoteアカウントを登録した。
白紙の答案用紙
山田(仮名)
「最初にnoteを開いたときは驚きましたね。『こんなに真っ白な画面があるのか』って(笑)。文字数制限もないし、好きなことを書いていいって。」
山田(仮名)にとって、noteの記事作成画面は、真っ白な答案用紙にも見えた。違いがあるとすれば、設問がないだけである。
ともかく、恐る恐るキーボードをいじくった最初の記事は、
これまで、徒然なるままにツイートしてきましたが、少し本腰を入れての語りはnoteで行いたいと思います。
と、短いつぶやきで終わった。
100字に到達しない文章。
それがこれまでの彼の日常であった。
しかし、
山田(仮名)
「でも、スキが数個ついたのは、正直うれしかったですね。」
noteにつぶやいた小さなスキの集まり。
わずかながらも、読者がいることに気づいた山田(仮名)は、少しnoteと向き合うようになりはじめた。
埋まらぬ答案
noteに書き始めてみると、思った以上に書くことの難しさに直面した。
テーマ選定
論理的な展開
読む人に伝わる内容 etc.
これまで、考えたことがなかった山田(仮名)にとって、noteが提供するキャンバスは、白き漆喰の壁となっていた。
noteという無限の文字数と表現の可能性を持つプラットフォームを自由自在に扱うクリエーターたち。
そして、クリエーターたちによって、日々、新たに生み出されていく記事。
加齢により、新しい技術の取得に必死な山田(仮名)にとって、クリエイターたちの溢れる才能と進取な営みに、少しばかり限界をも感じることがあった。
いっそ自分のことを
山田(仮名)は、noteのアカウント取得後、頭を悩ませていた。
山田(仮名)
「今でも、毎回、白紙の画面と向き合うんですけど、なかなか書き始められないですね。『今日は調子が悪いから無理』って思うと、別のことを始めちゃいますから。」
ただ、その日は違った。
山田(仮名)
「特に理由はないんですけどね。ただ、頭の中で考えていることを一度、自分の思考過程をを書き連ねてみようと。」
世の中はゴールデンウィークで賑わう中、一人自宅のPCでの真っ白な画面を見つめ、いつもどおり悲嘆に暮れていた山田(仮名)に、あるアイディアが浮かんだ。
そこから、キーボードを打つ指は止まらず、思いの丈を文章に託した。
山田(仮名)
「書き終わったときは達成感ありましたよ。なんか、ホッとしたというか。『自分の言葉でも、ちゃんど文書が書けるんだ』って。これまでも、思ったことをXでつぶやいていたんだけど、noteだと深く考えた内容を伝える感じがするかな。こうして書くのも悪くないなって。」
その日の思考実験は途切れることなく、始めて1000字を超える記事が生まれた。
まさかの反応
山田(仮名)
「思っていたより、リアクションがあって、びっくりしましたよ。」
自分を語っただけの記事ではあったが、興味をもってくれた読者がいたことに、山田(仮名)は少し驚きを感じた。
時間が経ってからも、リアクションが続いた。
山田(仮名)
「『少し語りモード』を掲載して以降、文章を書けば書くほど、自分が広がっていくのを少しずつ感じました。自分の年齢くらいになると、徐々に失うものも出てくるんで。そんな中での発見、というか、キッカケを産んでくれたのは、ちょっと新鮮な気持ちになりますね。」
その後も、山田(仮名)は、自分の周りに起きた出来事であったり、学生や社会人として得た知識、気になる話題、これまで親しんできた少し古い音楽やゲームを中心に、軽いノリツッコミを交えながら記事で語った。
語った記事に対する反応やコメントから、新たなインスピレーションが生まれ、さらなる記事を描こうとする意欲が生まれてきた。
今でも思うこと
山田(仮名)
「正直、自分でも驚いてますね。noteでちょっとずつ書くことで、色んな場面で『もう少し文章増やしてみようかな』とか、『もう少し自分の考えまとめてみようかな』って思うようになったんです。あの面倒くさがりの自分が…。」
面倒くさいことを極力したくない山田(仮名)。
そんな男でも、変わりつつあることもあるを実感しているいう。
山田(仮名)
「まー、noteでの発信は、自分を見つめ直すきっかけになったかもしれないですね。書くことで、カオスな自分の頭の中を整理する手段になっているんじゃないかと。」
山田(仮名)自身が、過去の自分と向き合いながら、noteというプラットフォームを使って、振り返り、思いを言葉にする。そして、そうすることで次第に自分自身の考えや価値観が形になっていく。
自分の頭の中の整理としての記事、そこから生まれる読者からのリアクション。
それを楽しみに記事を書いていく日常。
山田(仮名)は、noteを通じて、少しずつ変わり始めていた。
山田(仮名)の・・
山田(仮名)
「書くのは、まだ面倒くさいと思うこともあります。それでも少しずつ書いていくことで、自分の中で何かが変わってきた気がします。そう、それが私の"流儀”といってもいいかな。」
山田(仮名)にとって書くことは、もはや面倒くさいだけのものではなく、新たな挑戦となっている。
今日も山田(仮名)は、noteに向かってキーボードを叩く。もちろん、思考実験をしながらである。
しかし、その手が止まることはない。
山田(仮名)の流儀…それは書くことへの面倒くささを超える瞬間にある。
エピローグ
山田(仮名)
「自分にとって、noteとは、書くのが面倒くさくても、少しずつ前に進めていける伴走者みたいな感じです。」
でも、山田(仮名)は口にする。
山田(仮名)
「本当に伝えたいことは、まだどこかにあるんじゃないかってね。」
そして、山田(仮名)は、画面の白いキャンバスを眺めながら、少しずつ、しかし、確実に歩みを前に進めている。
(了)
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