【音楽】いろいろ想像できる余白の楽しみ|テレサ・テン「つぐない」
お品書き
今回は、1984年にリリースされたテレサ・テン(鄧麗君)のナンバーから「つぐない」を取り上げます。
テレサ・テン自身初のオリコンチャートのベストテン入りを果たし、第17回日本有線大賞、および第17回全日本有線大賞(年間)を受賞した、昭和の名曲です。
Satona様のカヴァーバージョンもお楽しみください↓
神野守様のアカペラバージョンも秀逸です↓
"別れ”を知ったきっかけ
つぐないのリリースは、1984年です。
この時期を振り返る…私もクソガキオコチャマだったので、リアルに聴いていたわけではないです。
1984年のオコチャマの男の子であれば、
ファミコンの登場で、裏技にハマる日々
ドラゴンボールが週刊少年ジャンプで連載開始
などの世相ですから、31歳のテレサ・テンが歌う歌詞の意味が理解できんのも無理がありません。
ちゃんと聴いたのは、90年代後半に、みのもんたと美川憲一がやっていたヤラセの人気番組「愛する二人別れる二人」のエンディングで聴いたような記憶が微かにありますね。
あと、就職してから、先輩と飲みに行った二次会以降で、お姐さんたちが歌っていたな…と。
オッサンになってからよくわかる感じ
その後、21世紀になり、自分もオコチャマからオッサンへと歳を重ねてしまいました。
と同時に、ようやくつぐないの歌詞なり、雰囲気を理解できるようになってきたと思います。
もちろん、つぐないは女性目線を意図している楽曲ではありますが、
多分避けられなかった別れの心情
生活感を漂わせることで産まれた聴いている人に浮かんでくる風景(ex.「窓に西陽が あたる部屋は」など)
抑揚をあまりつけない歌唱によって際立つ儚さ、危うさ、しかし、もっと引き立つ優しさ
優しさの中に同居する芯の強さ
などを感じることができるようなったと思っています。
実力派にカヴァーされ
初発は1984年ですが、長く実力派シンガーにカヴァーされているつぐない。
あげるといっぱいいそうなので、ここでは、まず本家のテレサ・テン(生誕70周年、2024年 New Mix版)と、Ms.OOJAのカヴァーを紹介します↓
もちろん、他にも名カヴァーの歌い手さんはいますが、Ms.OOJAのカヴァーは特に儚さ、危うさが上手く表現されているかなと私は感じました。
普遍性
テレサ・テンは1995年、42歳の若さでこの世を去ってしまいました。
1995年は、
時代の端境期にも見える年でした。
そんな中でのテレサ・テンの死は偶然とは思えません。
しかし、つぐないに込められた世界観というか、情景は月日を重ねても変わらない部分を持ち続けていると、私は考えます。
そして、変わらない部分があるからこそ、歌い継がれているのかなと、西日が煌々と入る部屋のベランダで、ボーっとしながらこの記事を書いておりましまた。
(了)