ストレス脳 アンデシュ・ハンセン
※このnoteには、タイトルにある本のネタバレが含まれる場合があります。
まだお読みでない方は、先に本を読了した上でnoteを閲覧いただくとより楽しめるかと思います。
はじめに
本書は「ストレス脳」と題して、脳が抱える不安や日常生活におけるストレスの原因とその対処法についての本となっている。
私自身、普段座り仕事で、外出することはあまりなく体を動かすこともほとんどないため、人よりストレスを抱えているのではと思い、本書を手に取った。
このnoteでは本書にある、
第4章 人はなぜうつになるのか
第5章 なぜ孤独はリスクなのか
第6章 なぜ運動でリスクを下げられるのか
の要約と私の所感を述べていく。
第4章 人はなぜうつになるのか
要約
この章では「人はなぜうつになるのか」と題して、うつの定義から入り、最終的には、人類の歴史と進化や感染症などの観点からうつになる原因が述べられている。
本書ではうつの定義を「普段なら楽しいと思える要素が無意味に思えること」とされている。
また、うつになる原因の一つとして「ストレス」が挙げられている。
誰しも、日々生活をする中で大なり小なりのストレスを抱えているかと思うが、ここで述べらているストレスとは、「何ヵ月、何年単位の長期間にわたるストレス」だ。
ストレスの原因も多岐にわたるかと思うが、本書では一つの例として、「意義のない仕事」が挙げられている。
ではそのストレスを取り除くにはどうしたらよいか。
それは「休息をとる」ことである。
当たり前かもしれないが、例えば仕事がストレスとなっている人が四六時中仕事のことを考えているようでは一向にストレスが解消されないというわけだ。
基本的には、仕事の時間を8時間としたとき、それ以外の16時間あれば休息としては事足りる。
が、ときには長期にわたる休息も必要となる。
所感
今やっていることは本当に自分がやりたいことなのかと思ってしまった。
自分が本当にやりたいことをまだ見つけられていないのではと感じた。
今後の人生設計を改めて考え直し、どこに時間を割いて、どこに時間を割かないかを明確に区別しようと思う。
第5章 なぜ孤独はリスクなのか
要約
本書では孤独を「求めている社会的接触と実際のそれに、不安を感じるような差があること」と述べられている。
つまり、人間関係において理想と現実にギャップがある人を指している。
ある調査によると、人はまず孤独になり、それからうつになるということが分かった。
また、所属する社交グループが多いほうがうつになりにくいということも分かった。
では、具体的に社交グループの数はどれくらいあればよいのか、多ければ多いほどよいのか、それとも多すぎてもよくないのか。
答えは、親しい相手が数人いればよいようだ。
困ったときにそばに居てくれる人の存在が大切だ。
また、少し別の視点になるが、対面とオンラインの違いについて述べられている。
人と直接会った時により多くのエンドルフィンが放出されていることが分かった。
※エンドルフィン:気分が高揚したり幸福感が得られるという作用がある脳内物質
エンドルフィンが放出されるとストレスが軽減される。
つまり、対面で人と会う機会が減ると、それだけ人はストレスを感じるということに言い換えることができる。
なので、オンラインがはびこる現代にて、人と直接会うことはすごく重要と言えるだろう。
所感
リモートワークをしていて、ここ数年ほとんど出社していなかったのだが、出社する必要性、人と直接会って話す必要性があることに気づけたので、月に数回は出社してみようと思う。
第6章 なぜ運動でリスクを下げられるのか
要約
うつを防ぐ方法として、本章では運動が紹介されている。
一つ本書にある実験を紹介する。
毎日じっと座っている代わりに15分間ジョギングをするとうつになるリスクが26%減る。
1時間散歩をしても同じだけリスクが下がる。
心拍数の上がる運動は散歩の4倍近い効果があるが、いずれにしても何もしないよりかは何かしらの運動をするべきだ。
では、どのくらい運動をすればよいのか。
本書では、週に1時間速足で散歩をするだけでもある程度の効果を得ることができるとある。
しかし、できるのであればそれ以上するに越したことはなく、週に2~6時間の運動をすると効果的である。
6時間以上の運動にうつを防ぐ効果はないらしい。
また、脳を活性化させるのにも運動は効果的らしい。
「脳のエクササイズ」として思いつくナンプレやクロスワードがあるが、それらをやるより運動をしたほうが効果的だ。
これは、記憶の中枢として知られる海馬と、抽象概念や分析的思考を司る前頭葉が運動により強化されるからではと考えられる。
所感
運動しなきゃと頭では分かっていつつ、いつも後回しになってしまっていた。
しかし、本書を読み、具体的な運動の効力が分かったため、今後は生活の一部に定期的なランニングと筋トレを取り入れることにする。
数値目標を作ってしまうとやらなきゃ感が出てきてしまい、やるのが段々億劫になってしまう気がしたので、あえて目標等は立てずに、やりたいときにできるだけ頑張る、というスタンスで取り組もうと思う。
運動については、同著者が「運動脳」という本を出していたため、こちらも後日読んでみようと思う。
おわりに
本書の最終章である「幸せの罠」を少しだけ紹介して終わりにしようと思う。
この章では幸せを、「人生の方向性に対する満足度」と定義している。
つまり幸せというのは常に最高の気分でいることではなく、長期的に人生に意義を感じているかどうかなのだ。
新しいモノを購入したり、観光地で楽しんだり、美味しいものを食べて喜んだり、のような一喜一憂ではなく、人生のミッションを遂行することが幸せである。
幸せは追い求めてはいけなく、幸せについて考えることを辞め、意義を感じられることに没頭した時に生まれる副産物だ。
私の人生の意義は何か。
今はまだ人生の最終目標のようなものはなく、これから先どのように生きていくか考え直すタイミングに差し掛かっているのかもしれない。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?