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子どもの行動を変える方法 -ABAの視点から-
子どもの泣く、たたく、逃げ出すなど、すべての行動には理由があります。
その考え方から、行動を分析する方法の一つとしてABA(応用行動分析)があります。
このABAの視点や考えを普段からもっておくと、子どもの対応において非常に役に立ちますし、
事象を一歩引いて、俯瞰的にみることができるので、落ち着いて対応できるようになります。
この記事ではABAについて解説します。
ABAとは
ABAは、子育てや医療、学校教育、ビジネスなど多岐にわたって実践されている、科学的根拠のある心理的・教育的支援方法です。
ABAの目的
ABAの目的としては大きく2つあります。
①行動の前後を分析して、行動の目的を知る。
②行動の前後を操作して、問題となっている行動をなくす。
行動を分析する
行動というのは、状況や環境などのきっかけがあって起こるものです。
また、その後の結果や対応によっても変化します。
まずはその行動がなぜ起きているのかを分析することが重要になります。
下の絵をご覧ください。
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例えば、スーパーに行ったとき、子どもが好きなお菓子を見つけたとしましょう。
子どもは買ってほしくて泣くかもしれません。または怒るかもしれません。
ここでは泣く例をあげて説明します。
ここでの"きっかけ"(A)は「好きなお菓子を見つける」となります。
そして、子どもの"行動"(B)は「大声で泣く」になります。
その結果、子どもが泣くからお菓子を買う場合、
"結果・対応"(C)は「お菓子を買う」になります。
つまり、子どもが大声で泣くことによってお菓子が得られるわけです。
子どもとしては泣く行動がメリットになり、泣くとお菓子を買ってもらえると学習します。
その結果、欲しいお菓子を見るたびに泣くことを繰り返します。
行動を変える方法
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問題となっている行動を望ましい行動に変えるためには、
◎行動の前の"きっかけ"を変える
または
◎行動の後の"結果・対応"を変える
これらが有効です。
つまり、
子どもの周りの環境や大人のかかわり方を変えれば、子どもの行動は変えられる
ということなのです。
具体例
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さきほどの例でいうと、
子どもが大声でなくのは、お菓子を買ってもらうことが目的になっています。
そこで、きっかけ"(A)の「好きなお菓子を見つける」を変えたり、工夫をすることが有効です。
例えば
①事前に約束しておく
言葉を理解できる場合は、「今日はお菓子は買わないよ」と、スーパーに行く前に約束しておくと、子どもが納得できることがあります。
②お菓子コーナーを通らない
お菓子を見つけないように工夫することも大事です。ただ、お菓子売り場に直行してしまう場合は使えませんので、①の事前約束が良いでしょう。
また、"結果・対応"(C)の「お菓子を買う」という大人の対応も考えてみます。
まずは、「絶対に買わない」ことを貫く必要があります。
その上で、子どもが泣いた場合は、
その場を離れる(目の届く位置)か、違う場所に連れていくことが必要でしょう。
注意点
大人の対応を変えると、子どもはいつも買ってくれるのに、買ってくれない…!!と、子どもの泣き声はさらに大きくなると思います。
このように、大人のかかわりを変えたときは、
子どもの行動が一時的に悪化することがあります。
ただ、それはあくまで一時的です。
そこを乗り越える忍耐は必要になるので、しんどいかもしれません。
絶対に買わないと決めたら買わない、この一貫した対応が子どもに伝わったとき、その行動は止んでいきます。
できればやってほしいこと
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◎記録をとる
子どもの行動がなぜ起こるのか分析するためには、
普段から記録やメモをとり、パターンがないか探ることが大事です。
きっかけ、行動、結果・対応の3つに
分けて書くようにすると、分析しやすくなりオススメです。
また、客観的に見ることで、大人側のイライラが減る効果もあります。
◎褒めて行動を強化する
子どもは常に認めてほしい気持ちをもっています。
親から褒められると、もっと褒めてほしくてその行動を繰り返します。
スーパーでのお菓子の例でいうと、
大声で泣きわめいたり、怒ったりしても、最終的に買わずに帰れたときは、
「欲しかったよね。でもよく我慢したね!!」などと大いに褒めてあげてください。
そうすることで、買わずに帰ることで褒められるという認識につながり、その行動を強めます。
最後までご覧いただきありがとうございます。
皆さんから、子育てにおいて、こんな場面での対応に困った、こんなときどうしたらよいかなど、日々の疑問を教えていただけると幸いです。
記事の内容の参考にさせていただきます。
よろしくお願いします。
ありがとうございました😊