気になる放送のことば──「のようなもの」
放送局に勤務していながらこんなことを書くのも何ですが、放送に使われる言葉でどうもしっくり来ないものがあります。
傷害事件などのニュースで使われる「刃物のようなもので」というのがそのひとつです。
のようなものそれは、被害者が凶器を見ていなくて、事件の目撃者もおらず、犯人も凶器を持ったまま逃げてしまったなどの理由で、当然記者もそれが刃物かどうか確認できないという場合に使われます。
その心構えは解らないでもありません。実際に見てもいないのに「刃物で切りつけられ」などと断定した