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薬膳には「一物全体(いちぶつぜんたい・いちもつぜんたい)という考え方があります。

これは、この世の中にあるものはすべて丸ごと全部でバランスが取れているということで、食べ物はすべての部分にそれぞれ栄養があるというもの。

だから、果物や野菜は皮も種も全て無駄にしないで食べられるし、魚なら皮も骨も尻尾も食べればそれぞれの栄養をいただくことになるということです。


捨てているところに価値がある

堅いから食べないとか、それは食べるモノじゃないという固定概念にとらわれていると、貴重な栄養を摂れずに捨ててしまっているかもしれません。

最近では野菜は皮に栄養があるということも分かって来ていて、例えばにんじんなら抗酸化力のある成分は皮の部分に多く含まれているのです。

アラフィフ世代の大好物!抗酸化は「錆びない」、「酸化しにくい」ということなのでにんじんは皮ごと食べたほうが良いということになります。

薬膳の視点から言うと、例えばセロリ。

セロリは普通繊維が多い白い軸の部分を食べて葉は捨てていませんか?セロリや大葉、三つ葉などの香りの強い野菜には気持ちを静めたりイライラを改善させる働きがあると言われますが、これは葉の部分に多く含まれるのです。

それだけでなく血も巡らせる香り。だから、葉も捨てずに刻んで炒め物などに使うと良いのです。

ここ数年、夏になるととうもろこしご飯も食べられるようになってきました。とうもろこしも甘い実の部分だけでなく軸や髭に効能があります。

特に髭には利尿作用があるため、ムシムシジメジメする梅雨から夏にはとうもろこし茶、とうもろこしご飯にも髭は必ず使います。


美味しくて栄養があるからすべて食べるのが一物全体

調理の仕方によっては、価値のある所を捨ててしまうものもあります。

例えば、焼きナスはナスを皮ごと焼き、皮を剥いて生姜醤油などでサッパリいただく夏の一品ですよね?

でも、捨ててしまうナスの皮にはナスニンという紫の色素アントシアニンが多く含まれます。これは抗酸化作用があってエイジングケア効果があるのです。

あ~今まで、もったいないことをした!!と思うでしょう?

薬膳ではナスの皮には血の巡りを改善する薬効があると言われますよ。

なすのトロリとした甘みを堪能するのは捨てがたいもの。だったら調理法を変えれば大丈夫。

焼きナスではなく蒸しナスにして皮ごと柔らかくいただけばいいのです。

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落花生も堅い殻を割った後の赤い薄皮には血を増やす働きがあると言われます。日本人女性は血が不足していることが多いので、落花生も薄皮ごと食べる。

わざわざ特別な何かを取り寄せなくても、普段食べている食材の、その捨てているところに効能がある!!

そして、不味くて食べられないようなものではなく、美味しく食べられるもの。


浮腫み改善がしたかったらもやしの豆は捨てない

今年の夏は、野菜が高騰しています。

浮腫み改善にとうもろこしを買おうとしても1本200円とか。家族4人で1本ずつなら800円!!

ケーキなら1個400円でも買うのにって話ですが(笑)

そんな高いとうもろこしを買ってせっせととうもろこしご飯を炊かなくても緑豆もやしを食べたら要らない水分を出すことができるから、浮腫みの改善も可能です。(ただし、緑豆もやしはカラダを冷やします。)もやしなら1袋50円するかしないかでしょう。

その時、豆の部分を捨てないこと!

緑豆の皮に薬効が高いからです。


一物全体のまとめ

食材には部位ごとにすべて効能があるので、捨てることなく食べられる部分はすべて食べるとバランスが良い。

それによりカラダのバランスも取りやすい。一つの効能だけを摂り過ぎないことも大切。

野菜が高い時はなおさら無駄なくすべて食べる。ゴミも原料になります。


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