季節の変わり目、疲れている時、高齢者、小さいお子さんが風邪をひきやすい理由と対策
急に季節が進み、空気は乾燥、気温も下がりました。
急に変わったこともありますが、疲労が溜まっている人や高齢者、小さいお子さんは風邪をひきやすいので注意が必要ですね。
改めて考えるとなぜ、疲れている時、高齢者、小さいお子さんは風邪をひきやすいのでしょうか?
その理由を中医学で考えてみましょう。
疲れている時はバリア機能が弱まる
どんな人でも、疲れが溜まっている時は体のバリア機能が弱まります。
疲れている状態は体の構成要素である「気」が消耗している時です。
「気」の働きは5つあり、そのうちの一つがバリア機能、つまり防御機能です。
※気の働きは次の5つです。ここはテストに出るところ(笑)
1.体温維持機能
2.各臓器が本来するべき機能を維持したり血巡り水巡りを正常にさせる機能
3.外からの邪気(ウイルス、細菌だけでなく寒さや暑さ乾燥なども含む)から体を守るバリア機能
4.臓器を正しい場所にキープさせたり、必要な体液や血液を漏れ出させないようにする機能
5.飲食物を栄養に変え吸収させ不要な物は排泄させる代謝機能
疲れが溜まっていると、この5つの機能はそれぞれ弱りますが、その中の一つ防御機能も弱るのです。
その結果、普段元気な時には感染しなかった風邪にも罹ってしまうのです。
高齢者が風邪をひきやすい理由
高齢になって来ると各臓器の機能も弱まりますが、中医学では年代によって、五臓それぞれが弱って行くと考えられています。
50代で肝、60代で心、70代で脾、80代で肺、90代で腎の順番です。
もちろん、もともとの体質でこの年代以前でもそれぞれのシステムが弱る場合もありますが、どんな人でもこの年代になると、上に示したように老化していくと言う考え方です。
70代で胃腸が弱まり、それまでより食べられなくなるとかお腹を壊したことがなかった人がお腹を壊しやすくなるなどが始まります。
すると、十分な栄養を作ることができなくなり肺を滋養することもできません。
老化と共に体の潤い成分は減少しますが、肺は乾燥に弱いと言う特徴があります。
栄養が十分でなく乾燥しがちになって来ると肺が弱ってしまいます。
肺は呼吸と直接関わりますが、中医学では肺には「気」があり、これが体のバリアを張ると考えられているのです。
気が体の上部から外へ流れると共に必要な水分を体内や体表にも運びます。
その結果、肺は適度に潤い体表、つまり皮膚は適度な湿り気を持ち皮膚から外邪の侵入を防いでいます。
肺が潤っていると関連する鼻も適度な潤いを保てるため、呼吸とともに侵入する外邪を防ぐこともできるのです。
ところが、80代に近づくころから肺が弱って来るので、バリア機能が弱ると言うこと。これが高齢者が風邪をひきやすい原因です。
小さい子どもが風邪をひきやすい理由
人は生まれた時には、一人で食べられませんし、歩くことも我慢してトイレで用を足すこともできません。
中医学では、大人より子供は脾肺腎の三臓が弱いと考えられています。
大人と同じものが食べられないし食べると消化不良になってお腹を壊すのは脾が弱いから。
腎が弱いために、おねしょをしたりトイレまで我慢できず粗相をします。
同様に肺がまだ未熟なため、大きな声で泣いて呼吸の力を養っているのです。
肺と関係のある皮膚も弱いですし、毛穴をうまく開閉して体温調節もできません。
小さい子どもが風邪をひきやすいのは大人より肺が弱いからです。
季節の変わり目に風邪をひかないために
疲れている時、高齢者、小さいお子さんが季節の変わり目に風邪をひきやすいのは、肺の機能が低下するからです。
特に、それまで蒸し暑く毎日汗をかいて体温調節しなければならないことに慣れていたのに、急に寒くなり逆に毛穴を閉じて体温維持をしなければならなくなっても、急に対応できないのです。
健康な大人であれば、対応できるのに!です。
ある程度気温と乾燥が安定して慣れるまでは、大人も子供も疲れすぎないようにしましょう。
もともと体力が無い人や病気がちな人は「気」が少なめな可能性が高いです。
肺の乾燥を防ぐため、薬膳では白い食材を摂ります。
白ごま、白きくらげ、豆腐、豆乳、れんこん、えのきだけ、エリンギ、梨等です。
食事は早食いを止めてよく噛んで、消化に「気」を使い過ぎないようにします。
また、「気」は汗と一緒に出て行くので、じんわりかく程度は良いですが、必要以上に汗をかきすぎないようにしましょう。
疲れている時に、サウナやよもぎ蒸しで大量の汗をかくのはさらに疲れるもとですし、肺を乾燥させてバリア機能をダウンさせる引き金になりかねません。
肺への栄養は胃腸に当たる脾が作っているので、胃腸を弱らせないことにも気をつけましょう。そのためにもよく噛んでくださいね。
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