東洋医学っぽ°˖✧◝経絡・ツボ
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東洋医学においては、『経絡』や『ツボ』という専門用語が使われます。
『ツボ』は耳にしたことがある方も多いと思いますが、『経絡』は聞きなれない用語ではないでしょうか?
経絡とは、全身を流れているエネルギー(=気)が通っている通路のこと。人間の身体には14本の主要な経絡があり、それらが体内の器官や組織をつないで身体全体の機能を維持する重要な役割を持っています。
具体的には栄養の運搬や代謝促進に加え、血圧や血糖値の調整に役立ちます。さらに血管の張りや緊張を調整し、正常な血圧を維持するよう働きかけて血圧を調整します。 同様に、膵臓や肝臓などの器官を通じて血糖値を調整する働きもします。
気のバランスを整えると、これらの役割が適切に行われて健康維持に繋がるのです。
14本の経絡のうち特に重要なものは、太陽経、手太陽腸経、太陽足膀胱経の3つ。
太陽経は、頭部を起点として体幹を経て足先に至る経絡。
身体の表面を通る最も重要な経絡です。表面部分の気を司り、身体の表面の痛みや熱感などの症状を緩和しています。そのため風邪による感冒や感染症、発熱などの病気を治療する上で非常に重要です。また頭痛、目のかすみ、耳鳴りなどの症状にも効果があるとされ、風邪や頭痛など多くの人に起こり得る不調の治療に広く用いられています。
手太陽腸経は、手の甲側を走る経絡です。
手から腕を通り、肩の後ろを回って頬骨に至る通路を持つため、頭部や顔、首、胸部、腹部、骨盤までを支配しています。肩こり、頭痛、目の疲れ、顔面神経痛、口内炎、アトピー性皮膚炎などの症状に影響するとされています。
足太陽膀胱経は足の裏から頭部、脊椎までを支配しており、自律神経や免疫系の調整に応じています。また頭痛や不眠症、緊張やストレス、腰痛や関節痛などの症状の治療にも役立ちます。
このように、経絡は身体のさまざまな部位に関連しています。
そして身体のバランスを保つために、重要な役割を担っています。
また経絡には、ツボと呼ばれる特定の場所があります。14本ある経絡の中に、ツボは約361個ほどあると言われています。
経絡に存在する特定の点であるツボは、気の流れを調整することができる場所。ここを刺激することで、身体の様々な不調を改善できます。ツボを刺激する方法としてはお灸の他に、指圧や鍼などがあります。
専門的で難しそうに思える、経絡での治療。しかし日常に取り入れて健康維持に役立てることは難しくありません。その方法の一つとして、『気功』があります。
気功とは、運動と瞑想を組み合わせた中国の伝統的な動きの一種。精神を集中して意識的に呼吸を行い、ゆっくりと正確な身体の動きを行うものです。それにより平衡感覚、柔軟性、筋力、および健康全般を改善することができます。また体内の血と気の巡りを良くし、経絡を刺激して病気の予防と治療を図ります。
気功は『調心』『調息』『調身』 という3つの要素で構成され、調心は“精神を集中させること”、調息は“呼吸を整えること”、調身は“姿勢を整えること”を意味しています。この3つの動作自体はシンプルで、毎日3回ほど行うことで血流や循環が良くなるといわれています。習慣的に行えば、健康に対する前向きな効果を得られるでしょう。
最近では太極拳の中に気功法を取り入れたプログラムもありますが、今回は自宅で行う方法をご紹介します。
1.静かな場所で目を閉じ、深く呼吸をして心を落ち着かせます。
2.あぐらで座り、背筋を伸ばして頭を軽く天井に向け、肩の力を抜いて腰をやや前傾させます。
3.その状態で手をお腹に軽く置き、上下するお腹を意識しながら自然に呼吸します。
4.空気が「入る」こと、「出る」ことに集中して呼吸。
5.手のひらを上向きにして膝に置き、意識を向けて気の存在を感じます。
6.両手をゆっくりと上げながら体の中心に向けて手を引き、気の循環を促進。
7.その後、手をゆっくりと下げながら身体の横に移動。
8.手のひらを上にして、膝に戻す。
手を大きく回転させることで、気を全身に循環させるイメージを持ちましょう。この動作を数回繰り返し、深呼吸をしてからゆっくりと目を開けて終了します。初めのうちは1日10分から挑戦し、徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。
ポイントは『3』のとき。
このとき、“マインドフルネス”を維持しましょう。自分が今行っている行為に完全に集中し、自分の感覚や感情、思考などに注意を向けるのです。深い集中力を発揮するために重要な要素となります。
マインドフルネスとは、瞑想やヨガなどの実践でも取り入れられる概念。自分自身に対する気づきを高め、心身の健康やストレスの軽減などに効果があるとされています。
自宅での気功を日常に取り入れられれば、ストレスとは無縁な生活が送れそうですね!