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詩はひとりでに肉を削がれる
骨は遡上する鮭のように
生まれた川を駆けあがり
石が骨を打ち、濁流、飛沫に光る鱗
君のこころを焼け野原にする

やわらかい言葉は危険だ
うかつに近寄らない方が身のためだ

言葉はするりとこころに沁み入り
君の中身を、細胞を、変異させる
姿かたちは僕たちと同じでも
君だけは激流を駆けあがる鮭だ
理解されない苦しみが、孤立が、
君をずっと清く、研ぎ澄ましてゆく

骨すら粉になり、川底に溶けても、
今も川を駆けあがっている



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