幻のフルーツ「ポポー」を人生で初めて食べてみたら、一度に5種類の味わいを感じた話
引越しをして9ヶ月。
「ご近所付きあい」と呼べるようなやり取りをする方ができた。
「ぽぽー食べる?」
「ぽぽ!!?何ですか、それ?」
ご近所さんの口から出た謎の食べ物の名。
一瞬聞き間違いかと思うほど耳慣れないその食べ物は「ポポー」という果物であった。
「南国の果物が好きな人にはいいかも!」
「うちはジューサーで牛乳と混ぜてバナナミルクみたいにして飲んでるよ」
九州出身のその人は、食べ方を教えてくれた。
まるで「アケビ」のような見た目のそれを4ついただき、謎の食べ物ポポーについて調べてみることにした。
ポポーについて調べると「幻のフルーツ」というワードが出てきた。
「まぼろし……。」
その一言で急に希少価値の高いもののように感じられる。
ポポーは、熟してから痛むのが早く、収穫からわずか3日で皮が黒ずんでしまうため、市場での流通が難しいことが幻たる由縁だった。
さらに調べると、
日本では大分県などで栽培されており、栄養価はりんごやバナナと同等以上あるんだそう。
さらに、GoogleのAIによると、「果実には卵10個分のエネルギーがあるとされるほど栄養価が高く、ビタミンCやミネラル類がバランスよく含まれています。」とのことだった。
「これ1個でホントに卵10個分なの?ある意味やばい食べ物かもしれない。」
そんなことを思いながら、思いきって食してみることにした。
すでに熟しているであろう果実に包丁を入れると、まるで熟したアボカドを切っているような感覚をおぼえた。
中にはまるで柿のような大きな黒い種が入っていた。
そのまま食べることもできるそうで、恐る恐る未知の食べ物を口に運ぶ。
「……??!!」
最初にインパクトがあったのは、その香りだ。
切っている時からキッチンに広がるトロピカルフルーツの香りは口に運ぶとさらに強く鼻に抜ける感じがした。
だけど、嫌な香りではない。
既視感ならぬ、「既臭感」……?
(そんな言葉あるんだろうか)
ココナッツの香りが鼻に抜ける感覚と似ている。
その味を例えるならば、柿とバナナ、メロン、ココナッツ、マンゴーを合わせたような南国全開な味だ。
食感は柿やマンゴーに近い。
食べ慣れないものを口にして「ココはどこですか?」状態の舌を出来るだけホームに戻すため、ご近所の方に教わった「バナナミルク」状にして飲むことに決めた。
味見をしてみると、何か物足りない。
「うーん、これは甘さに振り切ってみたほうがいいかもよ?」
夫の提案により、ハチミツを投入してみることにした。
再び味見をすると、先ほどまでほんのわずかに感じた青臭さがハチミツにより全回収されていた。慣れ親しんだ甘さに安心すらする。
未知の果物をここまで整えてくれるハチミツ。ありがとう、これからも信頼してる。
出来上がったポポースムージーは、トロッとした食感で、デザート感覚で飲むことができた。バナナスムージーとは違い、飲み終わるまで変色しないところも良い。
既に熟していた他の身は皮をむき、冷凍庫へ。
冷凍庫での保存期間を1ヶ月と言っているホームページもあれば、半年〜1年保存可能だと書いてあるページもある。
食べ慣れないものを半年以上、冷凍庫に眠らせる勇気はないので、きっと1ヶ月以内には食べきっているであろう。
疲れたときの栄養剤として活用したい。
慣れないものに挑戦するのはいくつになっても最初は怖い。
だけど、ご近所の方に頂いたこの「ポポー」は普段の生活に少しの刺激と発見を与えてくれた。
今度会ったら「おいしかった」と伝えよう。そして、お返しに何か美味しいものが手に入ったら持っていってみようと思う。
【追記】
「ヨーグルトと一緒に食べたらおいしいかも」とのコメントをいただいたので、ヨーグルトと合わせてみました。
マックシェイクのようなとろっと感が出て、よりデザート感がある飲み物になりました。
ヨーグルト、合います!
コメントいただきありがとうございました!
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やきいも
心が動いた瞬間をエッセイに。2児の母で育休中のワーママ。プリキュアにハマるセーラームーン世代です。