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【今日の和歌】兼好法師 - 徒然草よりの一文


 得田真裕

【  いつかこの恋を思い出して
きっと泣いてしまう 】

親愛なる閲覧者様の皆さん
おはようございます。

本日は
おいらの書棚より
取り出しました
日本三大随筆のひとつ
【 徒然草 】
より
一文を…
まずはじめに
日本三大随筆といえば
平安時代
清少納言の
【枕草子】

鎌倉時代前期
鴨長明による
【方丈記】

そして
鎌倉時代後期
吉田兼好こと
兼好法師の
書かれました
【徒然草】
で、
あります…

この
徒然草よりの
一文を
得田真裕さんの
素敵な旋律に添えて

ト部兼好こと
吉田兼好
後の
兼好法師

1283年(弘安6年)の頃生誕
1352年(天成7年)の頃死没
享年68歳

 頁は版元により異なりますが
(第二十六段)
【 風も吹きあへず】

風も吹きあへず
うつろふ人の心の花に、
慣れにし年月を思へば、
あはれと聞きし
言の葉ごとに忘れられぬものから、
わが世のほかになりゆく習ひこそ、
亡き人の別れよりも
まさりて悲しきものなれ。
されば、
白き糸の染まんことを悲しぴ、
路のちまたの別れんことを
嘆く人もありけんかし。

堀川院の百首の歌の中に、

昔見し妹(いも)が

かきねは荒れにけり

つばな交じりのすみれのみして

寂しきけしき、

さることはべりけん。

現代語訳(通釈)

風が吹き散らすまでもなく、
あわただしく散ってゆく
桜の花みたいに、
移り変わりやすい人の心に、
長年の間慣れてきたことを思うと、
しみじみ聞いた相手の言葉は
一つも忘れはしないものの、
相手の心はいつのまにか
自分と離れた世界のものとなってゆく
この世の習いこそ死別にもまさって
悲しいものである…
伝々…

のちには
全く会えないように
隔たっていくのを思い
嘆く人もあったのだろうよ。

堀川院の百首の中の一首
解説

その昔
通い慣れたかの人の家のかきねは
通りかかってみると
すっかり荒れ果ててしまったいる
そこにはつばなに交じり
すみれが点々と咲いているだけで
もう
あの女(ひと)は
この家にいないらしい…

ちなみに
妹(いも)とは
当時
女房や愛人のことを
言います。

堀河百首とは
平安後期の歌集
堀河天皇の時代
藤原公実(きんざね)を
はじめ
当時の代表的歌人16名による
   集成です。

平安の時代より
和歌に認められた
恋文でもありましょうか…

おいらは想います…

先人の方々も

いつかこの恋を思い出して
きっと泣いてしまう…
このような
想いは
現代も同じなんだな…と

おしまい。

長文は
綴るのも
読むのも
苦手な
おいらではありますが
本日いささかと
長くなってしまいました…

ギタリストでもあり
作曲家の
得田真裕さんの
曲の尺も
足りないなか

最後まで
読んでいただけました
親愛なる閲覧者様の皆様へは

心より
さんきゅっ!!!

次回よりまた
おいらの作品紹介
素敵な旋律に
詩や短歌を
添えさせていただきますぜ!!!

takachin