アンニュイ〜ennui
アンニュイはフランス語だ。でも日本語のアンニュイとフランス語のennuiは距離があると思う。どれだけの日本人が本当の意味を知って使っているのだろう。
て言いながら、私も日本で思われているアンニュイの意味でよく使うが笑
(私個人の解釈である為、これからお話することはあくまでイメージです。)
ennui フランス語の意味はつまらない、退屈、気怠い、物憂さといったネガティブなイメージだ。
一方で、日本での アンニュイ は気怠い感じが逆にお洒落という意味で使われている気がする。
これは多文化を吸収しやすい日本の特徴かもしれない。何でも日本式へと新しくお化粧を施せるのって才能とも言える。
でも、日本のアンニュイって「儚い」のイメージにも近いと思う。
そう考えると、四季折々の季節の移ろいや、着物やお城のディティールに現れるような細かい文様など、
日本古来の壊れそう脆そうだけど、そんな詳細な点にも手を施せて、そこに一種の美しさを感じられる日本独自の美学が反映されているとも感じる。
こんな話を思いついたのはフランス人の友人との会話だ。
音楽が好きで、センスのあるバンドや歌手を紹介してくれる中でこういった話になった。ちょうど好みが 'アンニュイ' なチョイスだったのもポイント。
そのフランス人は、母語のフランス語が外国で全く違ったイメージで使用されていることに恐怖を抱いていた。
でも、これって日本文化が外国に進出する時も同じことが言える。カリフォルニアロールなんかその典型的な例だ。
ネイティブからすると、違和感や不信感を抱くけど文化を受容する・されるってこういう事なんだろう。
外国文化であり、それはもうその国の一種の文化でもある。
「分かり合う・分かち合う」って字面では簡単そうでも意外とそうでもなかったりする。
外国文化や情報に限ったことではないので、今一度、大切にしたい考え方。
※画像は去年パリに行った時のもの。ヨーロッパの空は基本的に全部 ''アンニュイ'' だった。笑