同世代に励まされる。
幼稚園、小学校、中学校、高校、大学。
思えば常に同い年と過ごす空間が当たり前だったはずなのだが、今は周りを見渡すと一緒に過ごすことは少ない。
大人になった今、同世代がいること自体が珍しかったりする。たまたま同い年と遭遇した日には、
「え!同い年?!嬉しい!」
と、偶然の出逢いに一喜一憂さえしてしまう。
あんなに周りにいた同い年や1、2歳程離れた同世代のみんなはどこにいったのだろう…ふと、そんなことを考えていた。
最近こんなシーンを見た。
先日行われたテニスの全豪オープン準決勝。
大坂なおみ選手とセリーナ・ウィリアムズ選手の対戦。どちらも強い気持ちがぶつかり、最後までわからない試合展開に。
最初にリードしていたのはセリーナ選手だったが、結果は後半に追い込んだ大坂選手の勝利に終わった。
勝者と敗者。
非情にも、試合後は明暗が分かれてしまう。
セリーナ選手は悔しさのあまり涙をし、途中から記者の質問に答えられなくなり、去っていった。
画面もその後は優勝した大坂なおみ選手メインに切り替わる。
きっと見ている人たちの大多数は、まず大坂選手優勝おめでとう!そして、セリーナ選手へは悔しそうだな…と、それぞれ思ったのでないだろうか。
私はというと、何よりもセリーナ選手のインタビューの光景に、熱いものを感じずにはいられなかった。
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セリーナ選手は39歳。
年齢は自分より少し上だが、私と同世代の選手だ。
グランドスラム合計優勝回数(39回)は男女通して現役1位・歴代3位、シングルス優勝回数(23回)は歴代2位、オープン化以降では歴代1位。
もうテニス界のトップアスリートである。
(参照:Wikipedia )
私だったら、1回優勝しただけでも燃え尽き症候群になりそうな経歴…。
それだけの実績を重ねているにもかかわらず、貪欲に勝利を目指し、敗北に悔し涙を流し、その場を立ち去る。
ずっと変わらずテニスに情熱を注ぐ同世代を見て、素直に感動し、感銘を受けた。
そしてなんだか励まされるような気持ちになったのだ。
少し前の私は、自分よりも年齢が上のひとたちに憧れ、「よーし!頑張るぞ!」と自身を鼓舞していた。
しかし、少しずつ同年代の人たちの活躍をみて、私も負けてられないな!に、変化してきたのである。
考えてみると、世界中に同年代はいるのだ。
それぞれが違う場所で過ごし、顔も性格も知らない。ましてや国だって違う。
でも、同じくらいの年に産まれたという一つの時間軸で、共に成長してきたことは共通点として繋がっている。
だからこそ、惹かれてしまうのかもしれない。
セリーナ選手も、キャリアを積んでいく中で様々な困難もあった。
出産も経験し、体調も万全ではなかったことも多々あったという。
それでも、心の炎を絶やしていない。
「悔しい」という感情にそれが全て詰まっていると思う。
まだまだ、諦めないという気持ちと闘っているのだ。
悔し涙を流したのは最後いつだっただろう。
うまくいかないと、「よーし!やってやろうじゃないの…」という気持ちが、少しずつ少しずつ穏やかになってきているような気がして、焦る。
でも、このセリーナ選手のインタビューを見て、
「そんなことは勝手に自分がそう思い込んでいるだけでしょ。まだまだこんなものじゃないもの。」
と、画面越しに伝わってくるものがあった。
実は、つい最近私は悔しい思いをしたばかりだ。
その時だって、小さくとも「目にもの見せてくれる…メラメラ…。」と、炎は宿っていたではないか。
遠く離れた素晴らしい同世代に励まされたおかげで、わたしはまた一つ成長させてもらった気がする。
自分にできることは限られているし、おこがましいかもしれないが、このセリーヌ選手から受け取ったことを、同世代の誰かに伝えられるよう頑張りたいなと思うのだった。