お団子みたいな顔してる。
ケーキにチョコレート、クッキー、シュークリーム…etc。
幼い頃、洋菓子メンバーはアイドル的存在だった。そして、大人になったら好きなだけ食べられるかも…なーんて夢見たものである。
そんな想像をしていた年齢を大幅に上回った今、洋菓子ラブ!になっているかと思いきや、私はついつい和菓子のほうに心惹かれてしまう。
中学生まで、実家には母方の曽祖母が同居していた。それもあって、3時のおやつに並ぶのは定番の和菓子たちが中心。
お煎餅やお饅頭が多く、緑茶は必須。
今思うと、曽祖母は毎食必ず緑茶を飲んでいたのだけれど、98歳まで健康的に過ごせていたのは、もしかしたらそれが大きいのでは…?と、大人になって考えさせられる。
洋菓子を出してくれー!と、我儘を言ったこともあるけれど、その提案はいつだって却下。
お察しの通り、曽祖母の好み優先だったのだ。
その影響からか、大人になった今でも洋菓子を食べるときは特別感が強い。
アイドル健在である。
それでも、好物のお団子が出てくるときはテンションが上がった。
しかもよもぎ団子につぶ餡のセットは、それはもう瞬時に何本食べていいかを頭の中で計算したものである。
曽祖母はそれをわかってくれていて、自分のお団子を1本多く分けてくれていた。
文句を言いつつ、お裾分けのお団子までちゃっかりもらい、おやつの時間を全力で楽しんでたと思うと、我ながら笑える。
(ただただ、くいしんぼうだっただけ。)
幼い頃、あんなに洋菓子が出てくるおうちが羨ましかったのに、思い出されるのはあの時の和菓子の風景ばかり。
今でもおやつに食べたくなるのは、曽祖母と一緒に食べたお団子。
「お団子みたいにまん丸してる。」そんなふうに言いながら、食べている私をみて微笑んでくれていた。
制約もなく、好きなものを好きなだけ食べられる今でも、
「お団子みたいな顔してる。」
と、曽祖母と同じように言ってくれる家族に、私はおやつとして和菓子を用意するのであった。