「オレと一緒になれば世界一幸せになる」のリアルライフは小説以上のできだった
(6/10/2024 加筆)
「オマエのような女は誰と結婚しても幸せになると思う。でもオレと一緒になれば世界一幸せになる」と言ってのけた男のノンフィクションストーリーです。
残念なことに、そんなことを言った“オレ”は2020年にあっけなくこの世を去りました。それまでの人生をかけた集大成であり、長年の夢を託して設計した家があと少しで完成する目前のできごとでした。
何のお膳立てもない中で、すべてのリスクをひとりで背負って4人の子どもを引き連れて海外移住の生き方を選択した"オレ"の人生の終幕となりました。
理想を追求して生きることはたやすくはありませんでした。それでもハラハラドキドキヒヤヒヤの日々 があったからこそ、わたしたちの繋がりはじょうぶで長持ちしたのかもしれません。
人生とは生きている間のすべてのプロセス。
喜怒哀楽にあふれる日々こそ何より尊い。
ノーモアハラハラドキドキの頂きを目前に、“世界一幸せ”の最終章に向けて、プリンセスライフを送るはずだった妻を遺して行くことがどれほど無念だったことでしょう……。
想像すらしたことなかったコロナ禍で、夢にも思わぬがんの発覚と闘病で心身ともに疲れ果てながらも「希望を捨てるな」と踏ん張り続けた2020年。
どん底の中で、悲しみの涙、悔しさの涙、感謝の涙、喜びの涙、笑いの涙、幸せの涙、心の痛みの涙、苦しみの涙、不安の涙、反省の涙、怒りの涙、せつない涙、懐かしさの涙……ありとあらゆる感情と共にそれまでの人生の一生分以上の涙を流しきりました。
(他界して1ヶ月後に記したエッセイ)
力尽きた“オレ”が逝き、絶望の中でどうしたら希望と未来を見いだせるのか……と気持ちを整理するための模索の日々は痛恨の極みでした。
そんな中である日、はたと重大なことに気付けました。
それは、誰もが予期しなかった“オレ”の死こそが、
「世界一幸せ」への入り口だったことです。
魂が抜けたあとの“オレ”を目の前で見て泣き、
命に限りがあることを身を持って教えられました。
人の生が終わったあとはほんとうに虚無でした。
「消えてしまった」事実を前にしてはじめて、
「オレと一緒になれば世界一幸せになる」が
ほんとうだったことに気付くことができました。
生あることの偉大さ、
人が生きていることの尊厳、
毎日刻まれる自分の歴史の重さ、
暮らしの中で触れられるぬくもり、
支えてくれる人々の愛、
心のそこからわき出てくる感謝の気持ち、
すべては「世界一の幸せ」を感じるため、
生み出すためのたいせつな成分でした。
もう、何も恐れることはない。
後悔はなく感謝のみです。
こんなふうに生きてこられた時間とすべての体験が愛しくてたまりません。
「事実は小説より奇なり」とよくいいます。
わたしたち夫婦と家族のライフストーリーは下手なドラマよりずっとかけがえのない物語となりました。
“オレ”と結婚したわたしは「世界一幸せ」と感じる人生を得ていました。
これまでの記事から、心を込めてOur Real Lifeを紹介します。
■出会いから結婚に至るまでのストーリー
2:親の大反対に負けずに夫は自分の夢をあきらめてわたしと結婚
■結婚し子どもの誕生と共に田舎暮らしを決行
■サモアへの家族旅行の後移住を決めた
5: 旅の後、日本の暮らしに疑問を持つようになったところでサモアへの移住を決行
9: サモア時代を回想するフォトエッセイ
今も愛しいと思えるサモアの時間
■成長する子どもたちにより適切な地として米国に
12: たくさんの大学生が集まってきて我が家の日々はこんな感じ
https://www.youtube.com/watch?v=FQLGKb9j35M
13:若者に囲まれて酔って踊っている幸せなママの姿!!(4:11)😆
https://www.youtube.com/watch?v=rd78VwN1x0U
思い出をたどって、振り返れば振り返るほど、懐かしめば懐かしむほどこんな時間を過ごせたことが愛しい。
■子どもたちが巣立ち、ふたたび夫婦の時間を大切に
14:カリビアンリゾートでの時間は人生のクライマックスだった
ずっとずっと、ちょっとした恋愛の末に結婚して平凡な主婦兼母として暮らしているつもりだった。でも、振り返ればこれほどの体験をしてこられたのはほんとうに幸運だった。
■人生最終章を飾るためのプロジェクトが始まった
22: 死が迫ったオトコのロマンを叶えたいけど目の前の辛い現実
■儚くも夢目前に永遠の眠り
■「世界一幸せ」になったことに気づく
悪夢の時間を経たけれど、だからこそ最高に幸せと感じられる感情が肥大した。すべてはタダモノではなかったハチャメチャな行動力を持つ夫のおかげ。
もしも、"オレ"がまだ生きていたなら、日々、忙殺の中でそれまでの喜怒哀楽に満ちた歴史に感謝もできず、我がままな"オレ"にブツブツいいながら、暮らしていたことはまちがいない。
喪失感を埋めるため、気持ちの整理のためにと、ツラツラとnoteを書き始めて気づけたことばかり。
いゃ、待てよ!!これまでのわたしの人生ってすごくない?
リスク恐れずの大冒険の人生を歩ませてもらったこと……
なんてドラマチックなライフストーリーなんでしょう!!
書き始めてから一年余のうちに、わたしがたどった思い出がこんなふうにたまってきてあらためて胸が熱くなる。
若かりしころの“オレ”のセリフに嘘はなかった。
■さらなる幸せを追求して生きていく
そして、最期に夫がわたしに託したこと。
幸せになることをあきらめない。
心地よい人をみつけて幸せに残りの日々を過ごすこと。
世界一の幸せをさらにバージョンアップするために。
これまでの人生を思いきり愛おしみながら、最高の家族に恵まれ、より幸せな時間を作っていく努力を惜しまないことを約束する。
「セカンドライフを楽しんで暮らせ!」は亡き夫の遺言でした。マッチングサイトで巡り会えた人との出会い物語マガジン。
最期にもう一度、この記事と共に……。
ありがとうのキスが“オレ”に届きますように。
叶うものならもう一度、
思い切り抱きしめあいたいネ。
忘れてはいけない。
人生を編んでいけるのは自分だけ。
夫婦で旅した思い出を振り返るのも最近の楽しみです。
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