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ささやかな愛を感じるとき

10月後半からしばらく息子夫婦が日本に出かけていたため、ドッグシッターのわたしが家を空けられず、ここしばらくの週末は彼がわたしの家に来てくれた。

息子夫婦が無事に帰ってきたので、先週末は久々彼の家にわたしが出かけた。彼の家の冷蔵庫はいつもみごとに空っぽで、いったい何を食べて生きているのだ?と思うほどきれい。モノを溜め込まず、安いからと買いだめもしないため家の中もとてもすっきりしている。

彼の家にいくときには「彼の家には何もない」を前提に自分の家の冷蔵庫にある残り物野菜やフルーツ、冷凍庫にある肉類を適当に見繕って持って行くことにしている。道中いつものスーパーに寄りわたしのお気に入りワインと、良さそうな牛肉が目に付いたら買って行く。

久しぶりに彼の家に入るとQPさん以上にルナとテツがしっぽフリフリ発狂してわたしを喜んでくれた。

「もう来ないのかと思ったらこのおばちゃん、また来た〜。やった〜!うれしい」

という声が聞こえてくるような興奮ぶりだ。🤣

路上を彷徨っていた子犬をQPさんが救って以来、彼の相棒となったルナ

同居のムスコの猫、テツはイタズラ盛り


夏の初めごろ子猫だったテツもすっかり大きくなり、今では家じゅうがテツのテリトリーだ。こんなところまで?と思う場所にまでジャンプしたり、潜り込んだりできるのはさすがに猫のなせる技だと感心する。

テツのいたずらぶりに、悲鳴をあげながらも猫ならではの“しわざ”がキュート過ぎてわたしたちの笑いが増えた。

ムスコの猫のはずだけど、どう見てもテツはQPさんをパパと勘違いしていて、眠くなるとすぐに彼の腕のなかにチョコンと入り込み、すやすやと眠りこける。

わたしとQPさんの間の邪魔をするが、かわいいから許す。

今ではキッチンシンクにもピョンと飛び乗ることができるようになり、スポンジをかじってバラバラにしてしまった。もし食べていたら胃袋がスポンジだらけになってしまい危険。しばらくは、スポンジを置かないようにして、シンクの下に隠していたけれど使うときには不便。

久々に訪ねた今回、テツ対策が講じられていた。

シリコーン製のケースの中にスポンジが収まっていた。

スポンジ入れるためのシリコーンケースを購入

わたしがそれに気付いて、

あっ!

というと、QPさんが「テツにかじられないようにね」と笑った。

わたしの「あっ!」は実はソコではない。

63歳のおじさんがわたしと出会う前なら、このケースとスポンジを選んでいないことは明白だ。🤣

わざわざピンクのものが置かれていることに幸せな気持ちになる。

「ピンクのケースにピンクのスポンジになっているね」って指摘すると、

「もちろん!プリンセスのキッチンだから」と苦笑いするおじさん。

63歳のおじ(ぃ?)さんでもわたしには可愛く見えてしまう。

幸せを感じるって、こんな些細なことでいいのだと思う。


いっしょにいるとこういうささやかな思いやりをたくさん感じられるので、彼との時間が心地良いのだと思う。

この週末はネトフリで『あいの里』“Love Village”を見て過ごした。
Tomokaさんに教えてもらったので。

いろんな人がいるよね。

個人的にはこの番組を一人で見たいとは思わない。彼も自分だけなら見ないという。人の恋愛の行方より、一緒に見て語り合う時間をわたしたちは楽しんでいるのだと思う。

「米国人ならあれはないよね」なんて文化的違いを発見してみたりね。

そしてそんな会話をすればするほど、わたしたちの相性の良さを確信できることも楽しみのひとつだ。

加えて、日本制作の番組ゆえ彼にとっては日本流の恋愛思考やアプローチがおもしろいようだ。英語の吹替もあるのに彼はあえて日本語を選択し英語字幕で見ている。わたしは英語だとどんなふうに訳されているのかも重ねて楽しむ。

こんなふたりの時間の紡ぎ方が61年間まるで別世界で生きてきた二人の距離をどんどん縮めてくれているような気がしている。


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yahoi /ライフエディター・エッセイスト
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